テイルズウィーバーチャプターネタバレ

Home > ジョシュア(Ep2P 道化師と魔術師)

ジョシュア・フォン・アルニム

道化師と魔術師

Episode2 光輝
Prologue  道化師と魔術師

少女

少女

『……知っているか?名前というものは魔法の一種だということを。
名前を呼ぶことができなくなったら、その人と共有した記憶さえ形をなくす。
だんだん砂のように散っていく……。
結局は存在したという事実さえ忘れられる。忘れられ、忘れられ、また忘れられて……。
自分自身がどこを歩いていたのかも分からなくなるだろう。
………………………………………………。
さあ、仮面をかぶった道化師よ。私に話を聞かせて。
夜が明けると私は泡のように散ってしまうから……。』

−−暗転−−

舞台

(大げさに腰を曲げてみせ、仮面をかぶった少年が美しく笑う。
スポットライトも存在しないのに少年の周りがすっかり明るくなる。
生まれつきの俳優である彼、つかみどころのない魔術師が口を開く。
ろうそくの温もりひとつなかった部屋が古城に、
仮面をかぶった少年はきらびやかな衣装を着た道化師に、そして……。
たったひとりの観客は永遠の眠りの呪いにかかった姫へと変わる。
これらすべてが物語の力。劇は短い夜を惜しむかのように、続く。)

神出鬼没な魔術師

神出鬼没な魔術師:
『……そして、その美しい姫は魔女の糸車によって、バラの花びらのような血を一滴落としました。
そうして永遠の眠りにつきました。
もちろん、姫と一緒に城のすべての人々も眠りにつきました。
いつか魔女の呪いを解いて姫が眠りから覚めた時、寂しくならないように……。
ところが城の人々はただ眠りについたのではありませんでした。
彼らは、を見ていたのです。生きて息をするため……長い歳月が経ってから目覚めた時、まるで一度も眠りについたことがなかったかのように再び生きていくため……。
眠りについた人々は皆、生きていく夢を見ました。
料理人は鶏の卵をゆで、木こりは斧を振り回しました。
数百年を約束した眠りが突然、城の上に覆い被せられた瞬間、
まさにその瞬間を城の人々は永遠に繰り返しました。
……………………………………。』

少女

  −−少しずつ後ろに下がりながら−−
『あなた達が見つけてあげなければ彼らは皆、意味のない行為の繰り返しを続けるだけ。
それは永遠ではない。猶予、猶予、また猶予……。審判と絶望の無限の猶予に過ぎない。
真の結末も、真の喜びや悲しみもこれ以上存在しなくなる。
……だから笑うな。だから泣くな。
この物語はただ旋回するのみ、何も終わっていないのだから、まだ決して嘆くな。』
  −−掻き消えるように見えなくなる−−

−−白転−−

(そして少女は音もなく歩き、開かれた窓枠の向こうへ消える。
カーテンが風に膨らむ時よりもやわらかく、少女のスカートの裾が道化師の頬をかすめる。
……しかしこれも、ただ一夜の夢……。)

  −−魔術師の姿が変わり徐々にフェードアウトしていく−−

−−暗転−−

???

呼び出し

ジョシュアー哀愁

『……しかしこれも、ただ一夜の夢……。』
……

ベンヤ

『何を考えてる?』

ジョシュアー微笑

『……いや、普通はオレを訪ねて来るんだ。誰もが。
こんなふうにオレが呼ばれるとは……。』

ベンヤ

俳優舞台の上に呼ぶのはおかしいか?』

ジョシュアー驚き

『……。』
  −− 辺りをキョロキョロと見回す −−

ジョシュアー思案

『……おもしろい舞台だな。
観客はいないし、声は夢のように響く。……台本も手にはない。』

ベンヤ

『台本はない。リハーサルも。
ここは残酷な図書館。
ここでは、あの空の星より多くの涙がきらめいても、物語は終わらない。
本のページをめくってもめくっても、記録された物語を繰り返すだけ。
誰も語り手になってくれなかった……。』

ジョシュア: ……
  −− ベンヤに背を向ける −−

  −− ベンヤがジョシュアの少し離れた正面へ瞬間移動する −−

ベンヤ

『いつまで知らない振りをするつもり?
答えなさい。
アルレッキーノ(Arlecchino)。

ジョシュアー微笑

『アルレッキーノ……。よかった。彼はいつも日差しの中を歩くから。』

ベンヤ

『月明かりの下と言っても同じ、分っているだろう?
……あなたはまっすぐ見なければならない。
見たくなくて知らない振りをしているけど、たとえ二度と笑うことができなくなるとしても、それでもあなたはまっすぐ向き合わなければならない。』

ジョシュアー哀愁

『オレは……。』

  −− 彼らのいる次元が歪む。
ベンヤが何も告げず掻き消えるように姿を消す。 −−

ジョシュア:
!

  −− 再び次元が歪む。 −−

ロングソード登場

  −− 気が付くとジョシュアの目の前に男が1人立っていた。 −−

ロングソードグッドナイト

ハーイ
『こんにちは、アルレッキーノ……。あ、やっぱりこれはちょっとおかしいですね。
とにかくお会いできてうれしいです。ジョシュア・フォン・アルニム(Josua von Arnim)様ですよね?
いや〜これはこれは。私がどれだけあなたに会う日を待ちこがれて来たのかご存知ないでしょう。
フフフ。』

ジョシュアー微笑

『……当然知らない。オレはあなたじゃないから。』

ロングソードグッドナイト

嬉々
『いい所ですね。まあ、永久にこの舞台で遊ぶことも悪くはないでしょうが、あなたも登場すべき時が来ましたからね。』

ジョシュアー微笑

『誰かに背中を押されて舞台に上がるつもりはない。』

ロングソードグッドナイト

『つもりがなくても登場する時が来たのだから上がっていただかないと。フフ。
私を見てください。私はこんなにも立派に道化師(Clown)の役目を遂行しているじゃありませんか?』

ジョシュアー思案

『……道化師か。』

ロングソードグッドナイト

『まあ、舞台に上がる気になったらその時決めてもいいです。
少しは時間をあげることにしましょう、あなたにも。
適当に周りをうろついても寛大な観客達は怒らないでしょうから。』
♪
  −− そう言うとジョシュアから離れるように歩き出す。 −−

ジョシュア:
……

ロングソードグッドナイト

……
  −− ジョシュアに問いかけるために振り返る。 −−
『何ですか?ここで引き止めるのが世の中の情ではありませんでしたか?
まったく、いい俳優なのに自分の人生は演技できない人ですね。
……まあ、だからアルレッキーノ役としてはぴったりのようですが。
フフ。
さあ、親切に説明してあげることにしましょう。
今回の劇はちょっと複雑なんですよ。あなたは重要な役なのですから抜けたら困ります。
必要なのは小道具……いや、あなたのアーティファクト……。
その名はハーレクインマスク(Harlequin's Mask)
どうです?苦心の末、このような名前に決めたのですが……気に入りましたか?』

ジョシュアー微笑

『……ハーレクインでもアルレッキーノでも、呼び方の違いだけだろう。
結局道化師じゃないか。
あなたはオレに他の配役を与えるつもりがないようだな。』

ロングソードグッドナイト

『しかし彼らはとてもステキな主人公ですよ。
違いますか?主演なのに不満ですか?おや……配役に不満を抱く俳優だったのですか、あなたは?
彼らは偉大な主人公達です。
全てのものを窮地に追い込むのも彼らですが、全ての悲しみを払って結局ハッピーエンドをもたらすのも彼らです。』

ジョシュアー正面怒り

『オレが、それでも仮面をかぶらないと言ったら?』

ロングソードグッドナイト

♪
『ですから〜時間を差し上げると申し上げたでしょう?
しかし演劇を進めるにはあなたはあなたのアーティファクトをどうしても使わなければなりません。』

ジョシュアー思案

『……。』

ロングソードグッドナイト

『まあ、私も忙しい身ですから簡単に説明しましょう。
私があなたの持ち物にそっと忍ばせておいたアーティファクト……。 そう、そのハーレクインマスク(Harlequin's Mask)です。
舞台に立つ気になったら、その仮面を着ければいいのです!
少しの間なら自由です。しかしその後はだめです。そのまま舞台に立たせておけません。
その後も舞台の上を歩きたければ、その仮面を使うしかありません。
覚えておいてください。
その商品はとても貴重なんですよ。あなたの舞台、そして道化師には欠かせないと思いませんか?
あなたがそのハーレクインマスク(Harlequin's Mask)を使ったとき、あなたがあなたの配役を受け入れたと考えます。
さあ……、それではお元気で。
またお会いできたらいいですね。できるだけ、舞台の上でね。』
バイバイ
  −− そう言うと足早にその場を立ち去る −−

ジョシュアー思案

……
ハーレクインマスク(Harlequin's Mask)……。オレのアーティファクト……。
ふん、少しも礼儀正しく俳優を使うつもりがないようだな。……どうしようか?』

■ ここまでがジョシュアのプロローグです。
そういえば、プロローグを見ますか?見ませんか?の部分が存在していませんね。ジョシュアは。
クロエ様にも無かった気が……? ■

→次の話、C0 Deus ex Machina -機械仕掛けの神-  へ続く

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