Home >アナイス(Ep2C0 Magnum Mysterium) 1p・2p・3p・4p・5p
−− 騒動のあった広場近く、武器屋前の下り坂前で立ち止まるイサックとアナベル。 −−
『やっと着いた。はあ……。
疲れてないか?』
−− アナベルの方を向く。 −−
『このくらいで疲れないよ。』
イサック:
『早く行こう。早く渡してあのおじさんの顔忘れたい。』
−− 行商人の元へと向かう2人。 −−
『あの、これ。もらってきました。』
−− 振り返る。 −−
『何でこんなに遅いんだ?こっちに持って来い。』
アナベル:
−− イサックが、ハニーハーブティーを手渡す。 −−
『チッ、ものはちゃんと持って来たな。特別に許してやろう。気をつけろよ!』
アナベル:
−− 商人から顔をそらし、手にしたクマを地面に投げつける。 −−
『おい、泥棒ネコ!手に持っているのは何だ?』
−− イサックがアナベルの方に振り返る。 −−
イサック&アナベル:
−− イサックの横まで歩いて来る。イサックがアナベルを目で追う。 −−
『これ?ハニーハーブティー?これはアナベルがおつかい頑張ったからお姉さんがくれたんだよ。
頼まれた分だけ渡して、残りはアナベルが飲んでいいって言ったよ。』
『何?盗んだんじゃないのか?』
『ちょっと、言いすぎですよ。』
『言い過ぎだと?警備隊に突き出されなかったのをありがたいと思え!
田舎モンは、田舎モンらしくしとけ!
ここは港町でいろんな人がいるけど、静かに暮らしていたほうがいいぞ!
わかったか?』
−− アナベルの手から残りのハーブティーも奪い取る。 −−
イサック:
アナベル:
『何するの!アナベルのだよ!返して!』
『うるさい!もう用事は済んだから帰れ!』
『何をするんですか?それは俺達が働いてもらったプレゼントなんです!』
『プレゼント?盗んだに違いない!
警備隊を呼ぶ前に消えたほうがいいぞ!』
『……。』
−− アナベルの方を向く。 −−
『ふう……アナベル……。もう行こう。ここにずっといても損するだけだ。』
『……。こんな人間が溢れてる星なんて……。』
『うん?』
−− 勢い良く町の中心部へと走っていくアナベル。後を追うイサック。 −−
□
−−暗転−−
−− 中心部守護結界よりやや西部、宿前の開けた場所で、向かい合い立ち止まっている2人。 −−
『アナベル、これからどうするんだ?』
『うん?何が?』
『あ……、これからどうするのかなって?目的地とかあるんじゃないのか。』
『アナベルそんなのないけど?』
『誰かに会うとか、どっかで何かを探すとかさ……。
そんなのないの?』
『あるかもしれないけど、アナベル覚えてない〜。
くまさん、覚えてる?
くまさんも覚えてないって。』
『アナベル、もしかして、一人なのか?』
『……。アナベル、足痛いの。おんぶして。』
『とぼけずに言ってみな。行くところがないのか?』
−− イサックの横を通り背を向けるように数歩離れた場所まで歩いて行くアナベル。 −−
『俺が暮らすところを探してやろうか?ここにも児童保護施設があるはずだよ。
ここが嫌なら他の地域の神殿まで送ってやろう。
ヒーラーさんが幼い子供の面倒を見てくれると聞いたんだ。』
『アナベルはそういうとこやだ。』
『俺はもう行かなきゃいけないんだ。おつかいも終わったし、個人的にやるべきこともあるから。』
『だから、そろそろ決めないといけない。どうしたいんだ?』
『アナベルは……。子供が多いところには行かない。くまさんと二人で暮らす。』
『……。
それは危ないからダメだよ。』
『ぐすん……。子供が多いところはやだよ。子供怖い。
アナベルはそんなとこやだ、怖い。』
(いや、そこに行けば君が一番怖いやつになれるのにな。)
『それならアナベルは一人で……。ううん……、くまさんがいるから、くまさんと一緒にいる!』
『ぐすん、こうやって一人で歩き回って、ぐすん、怖いおじさん達にさらわれて……。』
『ぐすん、アナベルがどうなろうとサーカス怪力おじさんは気にしないで。お別れね。
じゃあね。』
−− クマを地面に投げつける。 −−
(一人は寂しいし、かと言って好きじゃない人と無理矢理過ごすのも大変なんだろうな。)
(それがどれだけ大変なのか誰より知っているはずなのに……。だからここまで来たのに。)
『あのさ、アナベル!』
『どちら様ですか?サーカス怪力おじさん。』
『アナベル、ふざけないで聞きなさい。
俺は男だから野宿もするし、ご飯も譲らないでいっぱい食べるよ。アナベルの面倒もちゃんと見れないけど、それでも一緒に行くか?』
−− クマを再び地面に投げつけるアナベル。 −−
『アナベル、答えなさい。それでもいいのか?』
−− イサックの側に歩き近寄る。 −−
『ぐすん……。アナベル、足痛いから、おんぶして。』
『ほら、こんなんじゃダメだ。俺がいてもおんぶできない時の方が多いはずなんだ。
それでもいいか?』
『そんなにいろいろ聞かないでよ!足が痛いんだから!!』
(ふむ、正直じゃないな。それがちょっと可愛いけどな。まぁ、一緒にいても問題ないだろう。
泊まるところから探さなきゃ。今日は疲れただろうからな……。ちびっ子を野宿させるわけにはいかないしな。)
『はぁ……もう行こう。』
−− 町の西側へと向かって歩いて行く。 −−
『どこ行くの!アナベルおんぶ!
アナベル足が痛いの!!!』
−− イサックの後を追い走る。 −−
□
−−暗転−−
『思ったより宿泊費が高いな。払ったら何も残らなかった。
アナベル、聞いてんのか?』
『うん、宿泊費高いね。』
イサック:
『他の都市に比べればそんなに高くない方だと聞きましたよ。』
『そうか?
しかし、あそこで寝ている人は誰?ここの管理人?』
『はい、ここのご主人です。いつも寝ているんです。気にしないでください。』
『面白い人だな、ハハハッ!』
−− アナベルの方を向く。 −−
『アナベル、俺は出かけてくる。
これからどうなるかわかんないし、アナベルの旅費も用意しとかないとな。』
『そう?アナベルも一緒に行こうか?』
『いや、ここにいてくれ。足も疲れただろうし。休んでてくれ。』
−− フレルの方を向く。 −−
『君の名前はフレルだったよな?』
『はい、フレルです。』
『では、この荷物とアナベルを頼む。部屋まで案内してくれるか?
ちょっと用事があってな。』
『はい、任せてください。
ご心配なく。』
『ありがとう。』
−− アナベルの方を向く。 −−
『アナベル、大人しくするんだぞ。フレルに意地悪するんじゃないよ。』
『うん!アナベルは良い子だから。
あの、フレル〜。私はアナベル。よろしくね〜!』
アナベル:
フレル:
『あと、この子はくまさん。アナベルのお友達なの。』
(あ……。やっぱりただ者じゃないな。)
『では、行って来るから。アナベル、良い子にしてろよ。』
『うん!早く帰ってきてね〜アナベル待ってるから!』
イサック&アナベル&フレル:
−− 宿を後にするイサック。 −−
□
−−暗転−−
−− 宿の部屋内をウロウロと歩き回るアナベル。部屋の中央階段に座り込む。 −−
『つまんない……。アナベル、つまんない〜!!!』
−− 立ち上がえり、クマを床に叩きつける。 −−
(イサックはいつ来るんだろう?)
−− 部屋の隅に近寄り座り込む。 −−
(これ、イサックの荷物?アナベル、お腹空いた……。)
−− 荷物の中に光る物がある。 −−
(うわぁ……これキレイ!アナベルが持ちたい!)
−− キラキラする物とイサックのカバンを手に取る。 −−
(ふ〜ん、これ以上には何もないじゃん!イサックのカバン……。チョーつまんない。)
(暇だよ……1階にいるあの子に遊んでもらおう〜。)
■ 顔付きセリフ枠でした。 ■
−− 立ち上がり、クマを持ち上げる。 −−
『くまさん!!
アナベルと1階に行こう〜!』
−− 部屋を後にするアナベル。 −−
−− 1階にいるフレルの元にやってくるアナベル。手前で小首を傾げる。 −−
フレン:
『ど、どうしたの?』
−− フレルの方を向く。 −−
『アナベル、暇なの。』
『じ、じゃあ、外で遊んでくるといいよ。』
『アナベル一人で?』
『そのく、くまさんがいるじゃないですか。』
『くまさんとはさっき遊んだよ。
アナベルはあなたと遊びたい、ダメ?』
−− 右手側を向き、足を踏み鳴らしアピールする。 −−
『ぼ、僕は、あの……忙しいんです。』
−− フレルの方を向く。 −−
『さっきイサックお兄ちゃんが言ってたじゃん。
アナベルをよろしくって。
フレルにそう話したから、アナベルがくまさんも紹介したじゃん、ね?』
『あ……でも、その……。』
『ねぼすけおじさんもいないじゃん?』
『もうすぐ戻って来るかもしれないよ?』
『アナベルとちょっとだけ遊んじゃダメ?
この中で遊べばいいじゃん、ね?
鬼ごっこして、キッチンでクッキーも食べて〜。あとは〜……。
……あと、何があるかな?』
『サイコロがあることはあるけど……。』
『アナベル、サイコロ好き!』
『本当?サイコロはここでもできるから、ちょっとだけ遊ぶ?』
『わーい!やった〜!』
フレル:
『あ、サイコロって何?』
『今、サイコロ好きって言ったのに……。』
『うん!好きだよ!でも、サイコロが何かは分かんない。
だから、フレルがアナベルに教えて〜。』
『わわわ、わかった。サイコロを持ってきて説明してあげるから。』
『あ〜、でもね、フレル。アナベル、お腹空いたの。
クッキー食べたいな……。』
『じ、じゃあ、サイコロ持って来る時に、クッキーも少し持って来るよ。』
『うん、ありがと!』
□
−−暗転−−
『次は何する?』
『はぁ……。アナベルは外で遊ぶ。サイコロ、もう飽きた。』
『勝手に外に出てもいいの?さっき君のお父さんが……。』
『イサックは私のお父さんじゃないよ?』
『とにかく、ここは危ないから外に一人で出るのは……。』
『アナベル、外に出たいの、ダメ?』
『何かあったらどうするの……。』
−− クマを床に叩きつける。 −−
『知らない!アナベルは出かける!苦しいよ……ダメ?』
『フレルが適当に言っといて〜。わかった?』
『あ、あの……でも……。』
『うーん……じゃあ、すぐ帰って来るから。
イサックはまだ帰らないと思うよ〜。
いいよね?ね?ねっ?』
『じゃあ、アナベルすぐ帰るからね〜!また後でね〜!』
フレル:
アナベル:
−− 宿を後にするアナベル。 −−
■アナベルさーん!それ持って行っちゃダメー!!
とか思ってました。イサックルートが先だったので……。■
→続きの話、外出ナルビクの街へ
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