Home > マキシミン(Ep1P 闇の中の少年)
クァディール:
ベクレール:
クァディール:
−− 視点がシャドウ&アッシュの受付周辺から奥へと移動して行く。 −−
−− シャドウ&アッシュの責任者だろう男がこちらを向く。 −−
『…………。
うむ?見ない顔だな。
シャドウ&アッシュは君を歓迎するぞ。
知っているだろうが、我がギルドは受けた依頼は最後まで責任を持って処理する。
無論、クライアントの身分と依頼内容は秘密厳守だ。その点は安心していい。
』
−− 少し視線をそらす。 −−
『ま、依頼料次第だがな。』
−− 視線を戻す。 −−
『君も、事件の解決を依頼しに来たのか?
それとも……このシャドウ&アッシュで仕事がしたいのか?
そうか。予想通りだな。
まぁ、よい。ちょうど今、ここで働いているヤツが依頼された仕事の処理に向かった。
興味があるならついて行ってもいいぞ。
どうだ?興味はあるか?
……ああ、もちろん強要するわけではないが……どうだ?』
■ここで、見る見ないの選択肢が出ます。■
『それではヤツがどこへ行ったのか教えてやろう。
ついて行くだけでいいから心配はいらない。よい旅を……。』
□
−−暗転−−
Episode1 Apparition発顕
Prologue 闇の中の少年
−− 書庫だろうか、人気の無い広々とした部屋に茶髪の少年が音を立てないよう入ってくる。 部屋の中央まで来ると辺りを見回す。 −−
『…………。
ここか……。』
−− 不満で仕方が無いと言わんばかりに顔を背ける。 −−
『くそ、何で俺がこんなことまで……。
確かに仕事なら何でもやるのがギルドのモットーだ。
けどな、いくらなんでもこんなこそ泥みたいな真似はないんじゃないか?
俺は盗賊ギルドに入った覚えは無いぞ!』
−− 一歩だけ前方に移動し再び不満を口にする。 −−
『チッ……思い出すだけで腹が立つ……。あのルベリエの野郎……。
「お前は何でもできる優秀な傭兵だろう?ならばこの仕事だってなんの問題も無いはずだ。」
あ〜、金のことさえなければマジで……くらわせてやったのにな……!!』
『くそ……金さえあれば……。』
−− 嫌な事を振り払うように顔を上げ、部屋の奥を見る。 −−
『……とにかく来たからには仕事をしないとな。
さっさとやっちまおう。ぐずぐずして捕まったりしたら面倒だしな。
厄介事はゴメンだ。』
−− 目当ての品を探し、更に部屋の奥へと歩を進める。 −−
『教えてもらった情報の通りならこの辺りにそれがあるはずだが……いったいどこだ?』
−− 奥の机の上に書簡を見つける。 −−
『おっ。これか……その密書というのは。』
−− 机の前に立ち、密書を手にする。 −−
** 密書 **
『結構大事な物だと聞いていたが、こんな所に放置とはね……意外だな。
まるで勝手に持って行ってくれとでもいうような……いったい何考えてんだ?
ま、俺としてはこっちの方が楽だからいいけどな。でもやっぱり貴族って連中は理解できないな。』
−− 顔を横に背けため息を付く。 −−
『はあ〜、それにしてもこんな紙切れに命を賭けなきゃならないなんて……。
俺の人生もくだらないな。』
『ま……いいか。予定の物は手に入れた。さっさとずらかるとしよう。』
−− 立ち去ろうと机から離れ再び部屋の中央まで来た時、部屋の隅で何かが光った。 −−
−− 光に気づき振り返る。 −−
『…………?なんだ、今何かが……。』
−− 数歩傍に近寄る。 −−
『うん?どうしてあんな所に箱が……。
何が入ってるんだ?妖精でも隠してるのか?』
−− 光、瞬く箱に近寄り、箱を開ける。そこには一振りの両刃の片手剣があった。 −−
『な、なんだ、これは?』
『剣……なのか?しかしなぜこんな物がここに……?』
『なんだかよく分らないけど、普通の物じゃなさそうだ……。
まさかとは思うが……とにかくいただくとするか。
他の物に手を出すなとは言われてないしな。』
−− 剣を手に取ろうと手を伸ばそうとした時、剣が浮かび上がりマキシミンの手元に飛んで来た。 −−
『…………!?
……なんだ!?
剣が自分で飛んで来る!?何か魔法でも掛けられているのか!?』
『ふん、どうでもいいや。
どうせ売り飛ばすんだ、どんな魔法がかけられていたって俺には関係ない。』
−− 両手で支えていた剣の鞘を左手で掴みなおす。 −−
『見た目は立派だけどな……中身はどうだろう……?』
−− 柄を右手で握り、剣を鞘から引き抜こうとする。しかし、引き抜くことが出来無い。 −−
『…………?
くそ、もっと力を入れなきゃだめ……か?うむ……。』
−− 更に力を込め引き抜こうとする。 −−
『……なんだ、これ?まさかサビ付いてるのか?
いくらなんでも……!』
『くおおおおぉ!はああっ!うりゃ〜!どりゃぁぁああぁ!!!!』
−− 全身全霊、顔が真っ赤になり血管が浮き出るほど力を込めるが微動だにしない。力尽き膝を付く。 −−
『くぅ……なんだ、これは!?いくら立派な剣でも抜けないと意味ないじゃないか!
くそ、今日はとことんついてない。
でも見た目はいいから……交渉次第では結構いい値で売れるかも……。』
−− 気が付かれないように剣をコートの内側に抱え込み隠す。 −−
** 正体不明の剣 **
『うわっ!
もうこんな時間か!急がないとやばいな……。』
−− 慌てて書庫から走り去る。 −−
□
−−暗転−−
−− 逃げ出そうとするが、屋敷の兵に気が付かれ包囲される。 −−
『やれやれ、もう追いつかれたのか……。』
『そこまでだ!諦めろ!』
『チッ……。
やっぱり書斎で時間を食いすぎたか。』
左下兵士:『小僧。おとなしく盗んだ物を出せ。
そうすれば命だけは助けてやろう。
俺達は優しいんだ。戦いは避けたい。』
『優しいだ?笑わせるな、出せといわれておとなしく出す奴がどこにいる。
どうせ渡した瞬間殺すつもりだろう?』
右下兵士:『どうやら口で言っても無駄のようだな。』
左上兵士:『フフ……。怖いもの知らずのガキを正してやるのは大人の義務だからな。』
右上兵士:『バカな奴だ……。すぐに後悔するぞ。
膝をつかせてわびさせてやる。』
『ふっ、俺を甘く見ないで欲しいな。
ヤケドするぜ!』
左上兵士:『お前みたいなガキが俺達大人を5人も相手にできると思うのか?
武器の使い方も知らないだろう?』
『もちろん知っているさ。剣の柄をしっかり握り、目標に向かって振る。
怪我を負ったら、ヒールPを使えばいい。
そんな事くらいは常識なんだよ!』
『おい、このガキに戦いのやりかたを聞いてどうするんだ。
全員、かかれ!』
−− 上級兵士の号令と共に兵士達がマキシミンに迫る。 −−
□
−−暗転−−
−− 玄関側(右下)の兵を1人倒すが、別の兵の攻撃で剣を砕かれる。 −−
『……くっ!
くそっ、俺のスチールシャドウが……!!』
−− 後方に下がるしかなく再び包囲される −−
左下兵士:『ふふふふ、お前の運もそこまでだな。』
(ち、やばいな……。武器がないと戦えない……。)
(……いや、無いってわけでもないか。抜けやしないが……。
ま、今はコイツに賭けてみるしかない。どうせイチかバチかだ!)
右上兵士:『何をぶつぶつ言ってる?
死ぬ前に念仏でも唱えているのか?』
左上兵士:『そんなことしたって無駄だぞ。
許してあげないからな〜。』
−− 書庫で見つけた剣をコートの下から取り出す。 −−
『…………。』
−− 剣を鞘から抜こうとする。 −−
左下兵士:『なんだ、まだ武器が残っていたのか?』
左上兵士:『無駄なことを。
素直に諦めたほうがいいぞ。』
−− マキシミンの体から青白い湯気のようなオーラが立ちのぼる。 −−
『…………。』
−− 途端、辺りの空間が揺らぐ。 −−
右上兵士:『ふん、悪あがきを……。』
−−白転−−
−− マキシミンが、視覚できない速度で兵士(左下)の脇をすり抜け、背後に移動する。 −−
『……死ね。』
左下兵士:『な、なぜだ……?』
−− 武器を落とし一言言うとそのまま崩れるように倒れる。 −−
左上兵士:『……!!』
『……!!』
−− 残った兵士達の方を向く。 −−
『ふっ……愚か者ども。
死ね!』
−− 再び、目視できない速度で兵士達の正面へと移動し剣術を繰り出す。 −−
−−赤転−−
−− 残っていた兵士達が1人残らず倒れる。 −−
−− 剣を鞘に戻す。 −−
『…………。』
『うん?これは……。どうなってんだ?いったい何が……。』
−− 後方を振り返り見る。 −−
『……考えるのはあとだ!今は逃げるのが先!とにかく、後のことは生き残ってからだ……!』
−− 廊下を走り抜けるマキシミン。彼が廊下からいなくなった後に彼のいた場所に白髪の人物が現れる。 −−
『ほう……ふむふむ……。
結構な腕前のようだな。
それとも……。』
−− 移動魔法で移動する。 −−
□
−−暗転−−
−− 一人の兵が玄関前ホールにいる。そこへ、白髪の人物が現れる。 −−
兵士:
『状況は?』
『はい、ここから逃げてあまり経ってはいないようです。』
『ふむ……。』
『まだそんなに遠くまで行っていないはずです。兵士達を集めて今すぐ……。』
『いや、いい。ほうっておけ。』
『はい?しかし……。』
『いい。盗まれた物は私が取り返した。
どうせただの傭兵だろう。
捕まえたとてなんの意味もない。』
『しかし、奴にやられた兵士達が……!』
『自分の実力が足りなかったせいだ。
そうだろう?』
『……しかし!このまま奴を見逃すのは納得できません!』
『義理のために報復をするつもりか?
命令に逆らってまで?』
『…………。』
−− 考えているのか視線をそらす。 −−
『無駄だとは思うが……。
まあ、傭兵どもに対する警告として追撃部隊を出すのもいいだろう。』
−− 兵士に向き直る。 −−
『この件はお前の部隊に任せる。』
『はっ、ありがとうございます!』
−− 急く様に外へと走っていく。 −−
『追撃部隊、か。
……ふふ、これからが楽しみだ。
よし。ではそろそろ次の部隊の準備にかかるとしよう。』
−− そう呟くと、再びどこかへとワープしていく。 −−
□
−−暗転−−
−− 細い裏道を必死に逃げるマキシミン。 −−
『ハァハァ……、しつこいな……。
いったいこの密書はなんなんだ?』
−− Y字路の中央で立ち止まる。 −−
『分かれ道か……。
くそ、どっちに行けばいいんだ!』
■ここで選択肢。左右どっちに行くか……、だったはず?
もの凄い速度で進むためSS取れていません。確か、時間切れ選択……だったはず。■
『よし、左に逃げよう!』
−− 左の道を選び再び走る。道の先にあった十字路を走りぬけたとき、視界の隅を誰かが横切った。 −−
−− 振り返るが既に誰もいない。 −−
『……何だ?さっき俺と同じ顔をしたヤツがあっちにいったような……。』
『あっちだ!追え!』
『くそ!もう追いついて来た!?どうしてあんなに早いんだ?』
□
−−暗転−−
−− ルベリエの元まで走って来るマキシミン。 −−
『ルベリエ!あんた、騙したな!?
危ない仕事じゃないだって?俺を見ろよ、死ぬかと思ったぞ!!』
『うるさいな……不満は任務の成果を確認した後で聞いてやる。』
『その紙切れなら当然持ってきたさ。
ほら、これだ。さっさと中身を確認して報酬をくれ!』
−− ルベリエに密書を手渡す。 −−
−− 密書を開き声に出して読む。 −−
『ふむふむ……む?
"……アイリス。君に会いたい。いつになったら君にまた会えるだろう……。
その日が早く来て欲しい……。"』
『な……なんだ?何か問題でもあるのか?』
『…………。なんだ、これは!これじゃないぞ!
仕事をやる気はあるのか!?いつになったらマトモな仕事ができるんだ?ああ……頭が痛い……。』
−− ルベリエに詰め寄る。 −−
『そんなバカな!?俺は確かに言われた通りにあの書斎から……!』
『この手紙の内容を見ろ!誰がこんな三流恋文を持ってこいと言った!?
…………。ふ……しかたない……この件の責任は体で払ってもらおう。』
『なに?』
『では、今回の失敗による我がギルドの膨大な損害は支払えるのか?できないだろう?
ならば次の任務のあるクラドに行け!もちろん、無給でだ。』
『なに!?いくら任務に失敗したからってただで働けというのか?』
『ほう?忘れたのか?あのお前宛の請求書の山を。
お前自身が署名した契約書も……。』
『くたばれ、守銭奴が……。』
『ほう?何か言ったかね?マ・キ・シ・ミ・ン・君?』
『…………。いいえ。なんでもありません。』
『よし。では今すぐ出発してくれ。借金というものは、時間の流れと共に増えていくものだ。』
『……分ったよ。行けばいいんだろ、行けば。
今行くよ。』
『そうだ。頑張って働けよ。ギルドを敵に回したくはないだろう?』
『…………。』
−− 不満そうに建物の外へと向かう。 −−
『任務失敗、か……。
ふむ……。』
−− 右側を向く。 −−
『まあ、いい。時間をかけて少しずつ処理すればいいだろう。これはビジネスだからな。』
□
−−暗転−−
−− 建物入り口から少し離れた場所まで歩いてくる。 −−
『うう〜くそっ!
こんなことになるんだったら任務失敗補填契約書なんかに署名するんじゃなかったぜ!
あいつ、まさか俺が失敗することを前提にこの仕事を押し付けたんじゃないだろうな。
ちきしょう……。』
『それに、借金までして買った俺の剣……スチールシャドーがあ〜〜!!
まだロクに使ってもいないのに!く〜!
あ〜、やってらんないな……。思い出すたびにストレスが……。
よし、ルベリエ、見てろよ……。いつかここを抜けられる日が来たら絶対に一泡吹かせてやる!』
−− 右を向き再び元の方面に向き直る。 −−
『ふ、それはそうと……。』
−− 剣を取り出す。 −−
『この剣、ただの剣じゃあないのは確かだな……。昨日のあの邸宅でも戦い……。
記憶が残っていないのも妙だが、あの状況で生き残れたのもおかしい。』
『それに……。』
−− 力を込め、剣を鞘から抜こうとする。 −−
『ハァハァ……やっぱり抜けないじゃないか!
昨日は確かに抜けたはず……って、記憶にはないけど。』
『やっぱり、何も知らないまま売り飛ばしちまうには惜しいな。
まだSEEDも少しあるし、金儲けのきっかけになるかもしれないからな。
今すぐ処分する必要もないだろ。』
『まずこの剣について調査だ!売るのはそれからでも遅くない。
そうだ。クラドにいるあの武器商人のじいさんなら何か知っているかもな。』
『あれ?何か忘れているような気がするな。
まあ、そのうち思い出すだろう。』
−− 外へと繋がる入り口のある大通りへと歩いて行く。 −−
□
−−暗転−−
■ここまでがマキシミンプロローグです。
星の旅行者(まだ謎の人ですが)が怪しいです。ティチエルプロローグと合わせると怪しさ爆発です!何がしたいんでしょうね?彼。■
→次の話、C1 ドタバタペア へ続く
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