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Chapter0 Femme Fatale
−−白転−−
『…………。』
(……あの事件が起こってから、まだ1年程しか経っていないのに、まるでん何世代も前の出来事のようだわ。)
−− セティリアが歩いてくる。 −−
『……お嬢様。』
−− 振り返る。 −−
『セティリア。』
『公爵様がお呼びです。
こちらへ……。』
『分ったわ。』
−− セティリアの後に付いて行くが、途中で立ち止まる。 −−
『…………。』
(……セティリア。
わたくしの覚えている昔のセティリアは、誰よりも明るかった。
時には度が過ぎるほど天真爛漫で、わたくしを困らせていたのに。
確かにそうだったはずなのに……。)
(でも今は、泣くことも、笑うこともない……。
何がセティリアを変えてしまったのか、わたくしには分らない。)
(しかし、ひとりの人間を変えるのには1日もあれば十分なのでしょうね。1年もあれば王国さえ滅亡するのだから……。
セティリアはあの日から変わってしまった。)
(……あの日からセティリアは表情を失い、口数が少なくなり、色あせてしまった。
まるで感情を捧げることによって、命を維持したかのように……。)
−− 再び歩き出し、邸に近い階段で待つセティリアの傍まで歩いてくる。 −−
(わたくしには責任がある。セティリアはあの日、わたくしの事に巻き込まれたのだから。)
(……目下の者をまともに守ることができない人間ではいけない。
一瞬の過ちだったけれど、わたくしが責任を取らなければならない。)
『お嬢様?
どうかなさいましたか?』
『なんでもない。
今行くわ。』
(……わたくしがやらなければならない。取り戻してやらなければ。
セティリアに……、昔の姿を……。)
−− セティリアに付いて再び歩き出す。 −−
□
−−暗転−−
アントニオ:
『……パーティーですか……。急ですね。その日までには戻ります。』
『お前の義務と、お前の立場を忘れなければ、私も関与するつもりはないが……。
ナルビクに行きたいそうだな?
公爵家の令嬢がひとりでナルビクに出かける……?
ふうむ……。ままごとにしては度が過ぎるんじゃないか?
ナルビクには綺麗なアクセサリーも変わった花畑もないぞ。』
『…………。』
『クロエ。フォンティナ公爵の娘が、民を虐げながら、理由もなくうろついているという噂など立ったら困る。
お前は賢い子だから言わなくてもよく分っているだろう?』
『虐げるだなんて……。
わたくしは正当な権利をもって言っているのです。お父様。
フォンティナという名前にはそれだけの力があるのです。』
『ふっ、結局お前は私に何も言いたくないようだな。
……そうだ。お前の言う通り、その名前にはそれだけの力がある。
そして私にもそれを享受する権利がある。
いいだろう。お前のしたいようにしなさい。』
−− アントニオに向き直る。 −−
『寛大なお言葉ありがとうございます。お父様。』
−− 出口に向かって歩いて行く。 −−
□
−−暗転−−
セティリア:
『……セティリア。』
『お父様はどうしてナルビクへ行きたいのか聞きたかったみたいね。
でも立場だとか、目下の者を虐げるだとか、探りを入れるようなことばかりおっしゃる。
なぜはっきり聞かないのかしら?』
『……分りません。』
『返事を望んで言ったわけじゃないわ。
……あ、いえ、あなたにあたっても仕方ないわね。』
『……はい。』
−− 視点がクロエに寄っていく。 −−
『…………。』
(……わたくしには責任がある。わたくしがフォンティナという名前を背負い、だからこそ、この両手に公爵令嬢として力を持っているように、セティリアを……。)
(…………。)
(セティリアを傷つけ、こんなふうに変えてしまったことに対する……。
責任がある。)
−− アングルが元に戻る。 −−
『……さあ、セティリア。準備して。
ナルビクに行きましょう。』
『私も行くのですか?』
『ええ。
エシェルト伯爵の邸宅へ行くのよ。おそらく簡単に見つかるわ。』
−− 扉をくぐり外へと向かう。 −−
□
−−暗転−−
『……現在、パレンシア海岸入口辺りまで来たようです。』
『思ったより時間がかかるわね。
帰る時は別の道を探してみたほうがよさそう。』
『テレポートサービスを利用できれば早いのですが……。
お嬢様が王室魔法使いの助けは受けないとおっしゃったので、どうしても……。』
『個人的な用事ですからね。
王室魔法使いは、わたくしが雇った人達じゃないわ。』
『はい。
…………。
……お嬢様、あえてお嬢様がこのような所までお出向きになる理由が分りません。』
『理由があるから行くのよ。』
『しかし……。』
『わたくしが、理由があると言っているの。
他に何が必要なのかしら?』
『申し訳ありません。
出過ぎたこと申しました。お許しください。』
−− 間 −−
『何かしら?』
−−白転−−
『誰?』
『た、大将……。どう見てもすごくお金持ちの女の子みたいだ。
どうする?』
『う、う、うるさい!!
俺達は強いんだ!!』
『そ……そうだよね?
フィスカー大将は強い!!』
『…………。
お嬢様、お下がりください。』
−− 剣を振り払う。 −−
『セティリア様が出る必要もありません。
こんな身の程知らずどもは私どもが一気に……。』
『ヒイ〜ッ!!
ボクたちを一気にどうにかするって!』
『あわてるな!
一気にどうするって言ったわけじゃないだろ!俺たちは一気にあいつらを痛い目にあわせてやればいい。フフ。』
『そうか!大将は天才だ〜!
一気に痛い目にあわせるなんてカッコいい!』
−− 口元を扇で隠す。 −−
『脅して金品を得るつもりなら、貴方達が誰を相手にしているかまず知るべきね。』
『誰って決まってるだろ?
お前じゃないか!!お前!そこにいるお前〜!
この子、俺たちのことバカだと思ってるな?』
『バカだと思ってるな?
痛い目にあわせるぞ!』
セティリア:
兵士全員:
『だまれ!!
このお方を誰だと思っている!このお方は……!』
『待ちなさい。』
−− セティリアの横辺りまで歩いてくる。 −−
『殺す必要はないし、わたくしが自ら相手をするわ。
感謝なさい。
わたくしの旅行を血生臭いものにしたくないから、慈悲を施すのよ。』
−− クロエの方を向く。 −−
『お嬢様……!』
−− 手にした扇を突きつけるように前に振り出す。 −−
『貴方達がどれだけ勇敢なのかお見せなさい。
わたくしを驚かせたら褒美をやりましょう。』
『褒美をくれるって〜!』
『褒美をくれるって〜!
あの子本当にバカじゃないの?』
『自分が女王様だと思ってるようだな〜ヒヒ。
痛い目にあわせてやろう!』
『痛い目にあわせてやる!!』
−−壊転−−
■ フィスカー、パーク、ハゼ2体と戦闘。 ■
□
−−暗転−−
−− クロエが二人に対し魔法を使う。 −−
■ 戦闘時に昼夜が逆転しました。昼間ならば昼間の画像で進行すると思います。 ■
『ギャアアッ!!』
『ウア〜ッ!!』
フィスカー&パーク:
『に、逃げよう〜!!
恐ろしい女だ〜!』
『逃げよう〜!
魔女だ〜!!』
−− 全速力でその場を離れるフィスカーとパーク。 −−
+経験値+
『…………。』
−− クロエの横まで歩いてくる。 −−
『おケガはありませんか?』
『大丈夫よ。』
−− 右側を振り返る。 −−
『時間を無駄にしたわね。
早くナルビクに行きましょう。』
『はい、お嬢様。』
−− 先にクロエが歩き出し、セティリアが付いて行く。 −−
−−白転−−
■本来は馬車のみの画像でしたが、使いまわしています。■
『では、出発しなさい。
エシェルト伯爵の邸宅まで行くにはまだ随分かかりそうね。』
□
−−暗転−−
−− 逃げた先で泣く2人。 −−
フィスカー&パーク:
『しくしく。痛いよ〜。
本当にひどい女の子だ〜!』
『人形みたいにきれいな顔してるくせに……。魔法を使いまくって!!』
『そうそう〜!!見かけはお姫様みたいだったのに実は魔女だ!』
『最近の子供たちはかわいくない。
子供は子供らしくなくちゃ〜。だろ?』
『そうだよ、大将。
これはボクたちが悪いんじゃなくて、子供が子供らしくないのが問題だったんだ!』
『おお!パーク、おまえすごいな!
やっぱり俺の部下を長くやっているから、頭がよくなったな?』
『フフフ。ありがとう〜大将!
ボクも今、自分がとっても立派なことを言ったと思う。』
−− 間 −−
『それはともかく、フィスカー大将……。ボクお腹がすいて死にそう。
しくしく。』
『泣くな!
それしきのことで……。』
『もとはさっきのあの女の子から食べ物を奪おうとしたのに。これからどうしよう?
しくしく。このまま今日1日飢えるの?』
『うっ。おまえがしきりに腹減ったって言うから俺も腹が減ってきた……。
しくしく……。』
−− 突如、2人の左下側に謎の旅行者が現れる。 −−
『フフフ……。天は自ら助け求める者を助けると言うでしょう?』
『うん?』
■立ち絵が2人同時表示でした。■
『それ一体どういうことだ?』
『どういうことだ?』
『皆さんの飢えたお腹を満たしてあげる良い機会があるということです!』
『うわ?本当?』
『本当?』
『ハハ、国がニワトリ1匹に大きな賞金を懸けたそうですよ!』
『ニワトリ1匹に?』
『でもそれが普通のニワトリではないそうですよ。
ゼリーキングと呼ばれる大きなニワトリなんですが、捕まえるだけで大儲けができるそうです!』
『ウワー!!
それでそれで?!そのものすごく大きなニワトリはどこにいるんだ?』
『これは秘密なのですが、おそらくクライデン平原4にいるのではないでしょうか?ウフフッ。
しかも、ゼリーキングを倒すと得られる”ゼリーキングの証”を持って行くだけでも、国がたくさん賞金をくれるそうですよ?』
フィスカー&パーク:
『いやあ〜!いいことを教えてくれて本当にありがとう!!』
『ありがとう!』
『フフフ……。これしきどうってことないですよ。
それでは私は用事があるのでこれで……。』
−− 踵を返し去っていく。 −−
フィスカー&パーク:
『うん!気をつけて〜!』
『気をつけて〜!』
『パーク……。
聞いたよな?』
『うん!』
『フフフ。
ゼリーキングやら何やらを倒しさえすればもう飢えることもないんだ!
俺たちも倒しに行こう!』
『倒そう!』
−− 大急ぎで走っていく2人。 −−
フィスカー&パーク:
−− だが、途中で立ち止まる。 −−
−− フィスカーの方を向く。 −−
『ところで大将……。
さっきのあの話さ、不思議なことに、前にも聞いたことあるみたい!!変だな〜。』
−− パークの方を向く。 −−
『確かにおかしいな〜。
実は俺もこの話を夢で見たことがあるみたいだ。』
パーク:
『…………。』
『あ!ボクたちがすごく賢くなって予知能力ができたんじゃないかな?!
今日のことをボクたちは夢で見たんだよ!!』
『おお!!パーク、おまえ本当にすごいな?
さっきのあの魔女にやられた打ち所が良くて、頭がよくなったようだ!』
『そ……そうかな?
それじゃ、あの女の子は魔女じゃなくて、実はイイ魔女っ娘だったのかな?』
『し、知るか!
とにかく!!その怪物ニワトリを倒しに行こう!!』
『行こう!!』
−− 再び走り出す2人。 −−
フィスカー&パーク:
□
−−暗転−−
■ ここまでがナルビク到着までの出来事です。
フィスカーとパークが可愛いのか駄目大人なのか……。 ■
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