Home > シベリン(Ep1p 記憶のカケラ)
−−大邸宅大広間、上に謎の人物、階下に黒衣の剣士−−
『例の任務はどうなった?』
『現在、事件が最後に起こった場所を中心に、彼女の残したパターンを追跡しております。』
『やはり、予想どおり発顕したのか。』
『そのようですが、まだ能力を使いこなしているかどうかは不明です。』
『7年前と同じか……しかし終わりまで同じでは困る。』
『今回は必ず決着を付けます。』
『ふっ、よし、信じよう。
さがるがいい。』
『はっ。では。』
−−そのまま大広間から外へ出る−−
−−再び謎の人物へと視点が戻る。黒衣の剣士の存在がいなくなるのを見計らったかのようにどこからともなく声が響く。−−
『へぇ〜。こちらはまあまあ順調のようですね。』
『今のところはな。しかしまだ何とも言えぬ。何か問題でもあるのかね?』
『いえ、問題というほどのことではないんですが、少し気になるヤツがいまして。』
『あの事件の生き残りか?』
『へえ、やはりご存知でしたか。その通りです。
あ、ちょうどヤツらを監視させた部下達が戻ってくる頃ですから、報告させましょう。』
『よし。話を聞いてみるとしよう。』
『分りました。よし、報告しろ。』
■ここまでが見る見ないの選択肢分です。最初の彼女っていったい誰!?■
−−暗転−−
Ep1 Apparition発顕
P 記憶のカケラ
『どうされました? 何をそう考え込んでいらっしゃいます?』
『ああ。ただ、いろいろ気になることがあってね。』
−−護衛剣士の方へ振り向く−−
『このたびの儀式はリスクの強いものではありますが、心を強く持ってください。問題ありません。』
『君はいつも私を励ましてくれるね。ありがとう。』
『いえ、それが私の役目ですから。』
『まだ私達を追う船の姿は見えませんね。』
『いくら公爵家でも、露骨に攻めてくることはできないのでしょう。
なんと言っても、神聖な儀式ですから。』
『そうかな?神聖な儀式だからこそ、断固として阻止するべきだと思うかもしれないよ?』
−−自身に語りかけるかのように声のトーンを落とし、舳先へと歩きながら言う−−
『魔法も使えず、そのうえ呪われた13月に生まれた者……。
国を継承するのだけは阻止しなければならないと思っているのだろう。
昔からの言い伝えにもあるだろう?
呪われた月に生まれた者は、国を滅ぼす運命を持っている……とね……。』
『……それは……。』
−−かける言葉が見つからないのか口をつぐむ−−
『…………。』
『…………。』
−−冗談だと笑いながら護衛剣士の方に振り返る−−
『はは、気にするな。冗談だよ、冗談。そう気にしなくても大丈……うん?』
−−急に空が黒くなりはじめ、徐々に辺りが暗くなり始める。−−
−−不安そうに空を見上げる−−
『これは危険だね……。よくない兆候だよ。
天気だよ、天気のことさ。ほら、空をごらん。』
『本当ですね。出発の時は晴天でしたのに。』
『もしかしたら嵐になるかもしれないね。備えておかないと……。』
−−雨が降り始める−−
『しかし、これはまた、いきなりですね。』
『はぁ……、礼服が全部濡れてしまう。これは着付けも難しかったのに……。』
『話は後で。まずは雨を避けて船内へ行きましょう。雨が強くなってきました。』
『ああ、そうだね。』
−−船室へ向かおうと後方にある階段へと向かおうとする、が 突如後方が騒がしくなる−−
−−背後から撃たれ1人の兵士が倒れる−−
『グアァァッ!!』
−−その声と音に傍にいた他の兵士が気が付き、音のした方を慌てて見る−−
『だ、誰……。』
−−侵入者はためらいも無くもう1人の兵を撃ち、さらに中央へと進む−−
『敵だ!みんな迎え撃て!』
−−迎え撃とうと侵入者に近寄る兵士達を阻止せんと後方から新たな敵が現れ、兵士を切り倒す−−
『チッ、なんだ、つまらないじゃんかよ?もっと根性見せろってんだ、正規軍さんよ。ああン?
そうじゃないと、みんなムシケラみたいに死ぬことになるぜ?』
−−臨戦態勢になった護衛の剣士と青年に視点が戻る−−
『こんな……。予想はしていたが、思ったより早い。ここまで準備していたのか。』
−−青年の方を向く−−
『申し訳ございません!私の責任です。内部の裏切り者に加え、傭兵まで潜入していたとは……。』
『今はそんなことを言ってる場合ではない!やられる前にやる!行くぞ!』
『はっ。』
−−戦場と化した中央デッキへと駆け下り、すぐさま参戦する−−
−−そのとき、柱の陰から赤い髪の青年が現れる−−
『ふふ、今から始まるんだ。』
■古い絵の方がらしさが出たと思うのですが、あえて新画像で……■
−−暗転−−
−−衝撃を受け、護衛の剣士が弾き飛ばされる−−
『クッ!』
『その程度か?騎士なら本当の実力を見せてみろ!』
−−体制を立て直す−−
『実力不足を人数でごまかしてるヤツには言われたくないな。』
『なにっ!?こいつ……!』
−−立ち位置が入れ替わりながら、槍と剣がぶつかり弾かれる衝撃音が幾度も響く、が護衛剣士の分が悪く再び攻撃を受け体制を崩す−−
『つ……強い!!』
−−少し離れた場所で周囲の様子を伺っていた青年が身を乗り出す−−
『あいつ!』
−−残っていた兵も力及ばずシラクに撃たれ倒れる。手の開いた敵がシベリンの援護に回らんと青年の進路に立ちふさがる−−
−−槍を構え叫ぶ−−
『ターーーッ!行くぞ!旋風裂斬!』
−−回転し、速度を増した槍が敵を薙ぎ払い再び青年の元へと戻ってくる−−
A『ウワッ!』
B『?!』
C『ク……。』
■左からABCとなっております■
『意外とやるじゃないか。』
−−そのセリフを切欠に互いに走り出し、交差する瞬間に槍を交える−−
−−そのまま走り抜け、互いに相手が立っていた辺りで向き合う−−
『……ただの傭兵ではなさそうだね。』
『もちろん。オレもアンタ程度のことはできるんだよ。
自分の技を味わってみてはどうかな? ……旋風裂斬!』
−−技を出そうとしたとき、突然目の前に全身を真っ黒の衣装に身を包んだ男が現れ、シベリンを真一文字に切り払う−−
−−槍を飛ばされ、崩れるように座り込む−−
『ウウッ……な……何だ、アンタは!?』
『……おまえの役目はもう終わった。これで最期だよ。』
−−そう言い放つと、再び剣を真一文字に振り払いシベリンを船から突き落とす−−
『ウワアアアアァァーーーッ!!!!』
−−叫びながら海へと吸い込まれるように落ちて行く……−−
−−暗転−−
−−勢いよく起き上がる−−
『はあ……はあ……はあ……はあ……。
…………。
ちきしょう……なんか胸くそ悪い夢だったぜ。
胸の傷がうずく……やはりあの時のことか……。
…………。』
{オレの名前はシベリン・ウー。どこにでもいるような、そんな平凡な傭兵だ。
事情があって自由傭兵として大陸中を放浪している。
シャドウ&アッシュという傭兵ギルドに属してはいるがな。
オレが今、旅を続けている目的……。
黒衣の剣士と呼ばれるヤツを見つけて、養父ケレンス・ウーの復習をすること。
そして、失った過去を取り戻すための手掛かりを探すことだ。
記憶。
そうだ。オレには過去の記憶がない。
親は誰か、家族はどこに住んでいるのか……本当の名前さえも知らない。
オレの持つただひとつの記憶は、黒い鎧のヤツにやられて船から落ちたということだけ。
その時、刻まれた胸の傷がうずく……。}
『……情けないぜ。まったく。
真紅の死神の名も地に落ちたものだな。
この傷跡と、あの黒いヤツだけが記憶を取り戻す手掛かりとは……笑わせる。
せめて夢の内容だけでもはっきりと思い出せるのならいいのだが、目覚めたら忘れてしまう……。』
『ま、しょうがないか。そう簡単に戻るような記憶だったら、とっくに戻ってるはずだ。』
『ふう、もう夜も明けた……。
そろそろ出発するか、過去の亡霊を追って。』
−−目をこすり、出口へと向かう−−
−−暗転−−
ナヤトレイ:
『おはよう。よく寝たかい、ナヤ?』
『うん。』
{この子はナヤ。本名はナヤトレイというらしい。
ナヤはオレ以外の人間と話す時は自分の本名ではなく、レイという名前を使う。
なぜ本当の名を隠すのか聞いてみても、苗族には苗族のやり方があると答えるだけだ
そのせいかな……気のせいかもしれないが。
ナヤという愛称は、オレだけに許された……そう……特権というか……そんな気がする。}
『もしかしてオレが起きるまでずっと待ってたのか?』
『ううん……。』
『ん……体が冷えてるんじゃないか?また明け方から待ってたんだな、すまん。』
『大丈夫。』
−−頭を撫でながら−−
『いい子だね、ナヤ。でも、もっと自分を大切にしないとダメだよ。』
『…………。』
『う〜〜ん……しかし野宿に慣れちまったせいか、久々のベッドはなじめない。
ぐっすり寝たと思ったのに……どうもすっきりしないな。』
『……また……あの夢を見たの?』
『ああ、うん。どんな内容かは全然覚えてないけどな。』
『昔の記憶、まだ戻ってないよね。』
『ああ。』
『じゃあ族長に会いに行かなきゃ。』
『そうだな。カウルに行って族長に会って、なにか手掛かりはないか聞いてみようぜ。』
『ちょうどお金も底をついてるし、村についたら稼ぎ先を探そう。
キレイなおねーちゃんからの依頼とかないもんかね……。』
『…………。』
『なぁに、金さえくれれば誰でもいいけどさ。
でも同じ仕事なら女性のためってほうが、よりやりがいがあるってもんだろう?
それがアダルトな美人なら大歓迎だろ!まあ、若いお嬢さんも嫌いじゃないが。
な、やっぱ大人の魅力ってのは次元が違うというか、別問題というか……うん?』
『…………。』
−−無言のままシベリンに背を向けるとそのまま早足で歩き出す−−
『たはは、これは嫌われたようだねぇ。
おーい、いっしょに行こうぜ!』
−−先を行くナヤトレイを追い、シベリンもカウルを目指し早足で歩きだす−−
−−暗転−−
−−辺りを見回す−−
『ここなの?』
−−振り返る−−
『うん……。
村のことは、族長がよく知っているはずだ。まずは族長に会ってみよう。』
『この村で黒衣の剣士の手掛かりがつかめるかもしれない。
それに……。』
『キレイなお嬢さんはいるかなぁ〜?でへへ。』
−−村の中央へ向かい歩き始める−−
ナヤトレイ:
−−呆れながら歩く。−−
−−歩きながら−−
(今度こそ……ヤツに関する何らかの手掛かりがつかめるだろうか?)
−−立ち止まる−−
『どれ、キレイなお嬢さん達をお茶にでも誘うには……先立つものが必要っと……。』
『うへっ!!!すっからかん!?
あああ〜、なにゆえオレのようなイイ男に!こんな試練がぁ……。』
ナヤトレイ:
−−遠くを見るように横を向く−−
(黒衣の剣士……ヤツはオレを、オレの失った記憶を知っているはずだ。
ヤツを追い始めてから、ずいぶん経ったな……。)
『最近、仕事してないから。』
−−向き直る−−
『ふ〜む……早く仕事を見つけるか。
背に腹は代えられないし。』
(レコダブルで知り合った仲間が、アノマラド南部で黒衣の剣士を見たと言っていた。
今度こそ黒衣の剣士を見つけてみせる。ヤツに会えば、俺の疑問に答えが出るはずだ。)
『そうね。』
(しかしオレは時々、恐れを抱く……。
ヤツを探し出して……。ヤツに会って……。
そして本当に、オレは自分の全てを知ることになるのだろうか……?)
『行こうか?』
『うん。』
−−族長に会うべく歩き出す−−
−−暗転−−
■ここまでがシベリンプロローグとなっています。
シベリンサイドだと表と裏に差があるんですが……。レイ側だと騒がしいだけという……(汗)
中身はしっかりさんなんですけどね……。他キャラクター(特にマキシミン)からだと分らないという……。
冒頭の声ですが、ベースがロングソードになってます。が、特に深い意味はなかったりします。■
★ ナヤトレイサイドと比べてみる or 続きを見る ★
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→次の話、C1 ゼリーキング討伐 へ続く
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