Home >イサック(Ep2p0 Mariposa)
Episode2 光輝
−− 羽根散らしながら現れる。 −−
『必要としている人を捜すんだ……。
……見つけられなければ……また……猶予、猶予、また猶予……。
真の結末も、真の喜びも悲しみももう存在しなくなる。』
−− 再び羽根を散らし姿を変える。 −−
Prologue Mariposa
−− ヒラヒラと西側に向かい、どこかへと舞い飛んでいく。 −−
−−白転−−
□
−−暗転−−
□
−−暗転−−
−− 歌う少女の周りを蝶が舞っている。 −−
ジェニ:
−− 歌い終える少女。 −−
『う〜ん、やっぱりうちの姫の歌は最高だな!ハハハ!』
−− 振り返る。 −−
『母上よりは上手じゃありませんわ!エヘヘ。』
『いやいや、ジェニも本当にうまいよ。観客もこんなにたくさん集まってきたしな!』
−− 周囲を舞っていた青い蝶を見つけ近寄る。 −−
『あ、きれいな蝶々だ〜。』
『ふむ。観客も来たことだし、私も一曲……。』
−− 立ち上がる。 −−
『父上のお歌はおやめになったほうが……。』
イサック:
−− 歌声に、集まっていた蝶が散って行く。 −−
『あ……蝶々が…………。』
□
−−暗転−−
−− イサックの方を向く。 −−
ジェニ:
『ふむ……まいったな……。』
『姫様〜!!』
『姫様〜!どこにいらっしゃるのですか〜!!』
イサック:
ジェニ:
−− お互い向かい合う侍女。 −−
『いくら父君とは言え、姫様にまで野蛮な風習を教えるのは……。』
『そうですよ。教養のない話し方もそうです。』
−− 右手側に向き直る。 −−
『はぁ……、心配ですわね。』
−− ジェニを捜し先に進む。 −−
ヘア:
−− 2人を発見し立ち止まる。 −−
『あっ!姫様!!』
−− ジェニに近付く2人。慌てるイサック。 −−
『あっ、ごめん!さきに話そうとしたんだけど。』
『姫様、祭女長がお待ちですよ。
こうして勉学の時間に遊んでいらしたら私達が怒られるんです。』
『ジェニは父上と一緒にいたいの……。勉強なんてつまらないの。』
『姫様だけが女王様の後を継ぎ、サンスルリア神の教えをサンスルリアに伝える祭主様になれるのです。
さあ、早くお入り下さい。』
−− ティスの方を向く。 −−
『でも……でも……父上ともっと一緒にいちゃダメなの?』
『姫様!』
『祭女達の言う通りにしよう。父上とはまた後で遊ぼう。わかったね?』
『……はい、父上。じゃあ、勉強してきますね!』
『うん!祭女長の言うことちゃんと聞くんだよ!』
『はい!
エヘヘ、また遊んでね、父上!』
−− 祭女と共に帰っていく。 −−
−− 3人が立ち去る。 −−
『……メルゼベド……やっぱり俺はまだまだみたいだ。ハハハ。』
□
−−暗転−−
イサック:
−− 青い蝶が舞い飛んで来て、イサックの周りを回る。 −−
『うん?』
−− 青い蝶が神殿入り口前辺りまで飛んで行く。 −−
『きれいな蝶だな……。』
『うちの姫が喜ぶな!』
−− 蝶を追い駆け出し、そのまま神殿へと入っていく。 −−
−− イサックが走り去った後に転移し現れるロングソード。 −−
『蝶の小さな羽ばたきも歯車を動かす力があります。フフフ。』
□
−−暗転−−
−− 蝶を捕まえようと奮闘するイサック。 −−
イサック:
−− 壁際で止まる蝶。 −−
『ううう……。』
−− 入り口近くの床に止まる蝶。 −−
『あああ、もう!』
−− すぐ傍の模様の上に止まる蝶。 −−
−− 中央のモニュメントに止まる蝶。 −−
『よーし、そこにじっとしてろよ……。』
−− 蝶を捕まえるために突進する。 −−
−−赤転−−
『ハッ!』
−− 辺りを見回す。 −−
『ど……どうしよう。』
−− 入り口からロングソードが現れる。 −−
『あ〜あ!困っているみたいですね。』
−− 振り返るイサック。 −−
イサック:
−− 近寄るロングソード。 −−
−− ロングソードの傍に寄る。 −−
『あ……えっと……それが……。』
『あ〜。これ、壊れてますね。思ったより深刻な問題ですよ?
神官達や祭女達が知ったら大変なことになりそうですよ。』
イサック:
『ふむ……。あ!』
『イサックさんにしかできない方法がありますが、どうですか、聞いてみますか?』
『本当ですか?難ですか?どうしたらいいんです?』
『あ、ちょっと待って。俺の名前をどうして知っているんですか?初対面だと思うけど……。』
『ちょっと待ってください。まず、落ち着いてください。』
−−白転−−
−− モニュメントが復元される。 −−
−− モニュメントを見ている。 −−
『うわっ!これはどう言う事だ?』
−− イサックが振り向く。 −−
『たいしたことじゃありません。
ただ壊れる直前まで時空をちょっとだけずらすフリ』
『そ……それってたいしたことじゃないのかな……。』
『まぁ、私だからできることですけどね!ハハハ!』
『あ、でも、元に戻ったことだし、俺がやることはもうないんじゃないですか?』
『先ほども言いましたが、これは直したフリをしただけです。
今、目に見えているのは虚像です。』
『虚像?これが?大丈夫そうだけど?』
『壊れていないと信じているからです。
壊れていると思ってこう、手を近づけると……。』
−− イサックがモニュメントを見る。 −−
−−白転−−
−− 壊れたモニュメントが現れる。 −−
イサック:
『このように、すぐに本来の姿に戻ってしまいます。』
『ふむ……そうなのか……。』
『まぁ、ここの人々は信仰が厚いので、聖物を敬わなくなったり、勝手に触る人はいないと思うので、しばらくは大丈夫でしょう。』
−−白転−−
『虚像だったんだな……。』
−− 振り返る。 −−
『じゃあ俺だけができることとは一体……?』
『もしかして天使の人形について聞いたことありますか?一時期、サンスルリアにあった伝説の宝物です。
生きて、動いて、話して、考えもするんです。』
『ふむ。メ……おっと。』
(女王の本当の名前を他人の前で勝手に呼ぶのはまずいな)
『聞いたことあります。実在しない伝説だと聞きましたけど。』
『ハハハ!そうとも言えるし、そうでないとも言えます。この聖物と同じです。
しかしイサックさんなら必ず見つけることができます。』
『ふむ……。』
『天使の人形なら女王の力を借りて眠っている伝説の人形部隊も動かせますし、時間も戻せます。私みたいにフリをするんじゃなくてね。』
『ふむ……その人形というのはどこにあるんですか?見つけるのにどのくらいかかるんですか?』
『さあ、わかりません。』
『伝説かもしれないモノを……それもどこにあるのかもわからないモノのために旅に出ることはできませんよ。家族も心配するだろうし。』
『見つける前にバレたらもっと大きな問題になりますよ。
そう思いませんか、イサック・デュカステル様?それにその犯人が祭主の父親ならもっとね。』
『……あなたは一体何者なんだ?旅人みたいだが、なぜそんなことまで知っているんだ?』
『アハハハ!ただのベテラン冒険者にすぎないロングソードグッドナイトと言います。
世界のあちこちを旅していて、大体の事は知ってますよ。』
『……。』
『ここにもちょっと寄っただけで、困っているように見えたので手伝っただけです。私ちょっとおせっかいなんです、ハハハ。
天使の人形があれば、聖物も直せるし、女王と姫にも大きな力になるはずです。
それに宝物を見つけてくれば宮中でのイサックさんを見る目が変わるんじゃないですかね?
女王には、宮中生活が退屈で少し息抜きが必要だから旅に出ると言えばいいんです。ついでに宝探しもするってね。』
『……。』
『まぁ、色々言いましたが、決定はイサックさんがするべきですね。』
『どうも選択の余地はなさそうだな……。妻と娘に別れの挨拶をしてから行きます。』
『あなたを必要としている子野良猫に先に会いに行った方がいいかもしれませんよ。では!』
−− 立ち去る。 −−
『子野良猫?
……。』
『はぁ……メルとジェニには何て言えば……ふぅ。』
□
−−暗転−−
−− 女王の執務室にて。事情を説明するイサックと窓の外を見る女王。 −−
『まぁ……そういうことだよ。ごめん、ハハハ。』
メルゼベド:
−− 振り返る。 −−
『笑ってる場合ですか!』
−− たじろぎ上体を少し後ろへ反らす。 −−
『ヒッ!ご、ごめんなさい!』
−− 少しの間 −−
『……。』
『でも仕方ないじゃないか。やってしまったことだし。
事が大きくなる前に俺が直接行って方法を見つけてきた方がいいと思うんだよ。』
『……他の人に知れたら大変ね……。
あなたが直接行く他には方法がないのかもしれませんわ。』
『うん、ごめん。
俺は、神官達や祭女達に嫌われるのは今も変わらないからしょうがないけど、
君と姫を困らせたくはないんだ。』
『それに退屈な宮中生活の息抜きもしたいしな。ハハハ。』
『……。いつもそうやって笑っているのですね。あの時も、そして今も。』
『そうか?ハハハ。』
『ジェニノエル姫には何と言い訳をなさるつもりなの?』
『ふむ……。本当のことを言うわけにはいかないし……。』
『来年、姫は祭礼儀式に初めて参加するんでしたね?』
『はい、来年には姫も8歳ですから。』
『姫には、来年行う初の祭礼儀式への参加記念プレゼントのために行ってると伝えてほしい。』
『姫に会わずにこのまま旅に出るつもりですか?』
『姫に会ってしまうと……行けなくなりそうだから。』
−− ほんの少しの間 −−
−− 背を向ける。 −−
『仕方ありませんね。』
『うん、すぐ行って来るから心配するなよ!ハハハ!』
−− イサックに近寄る。 −−
『これを持って行ってください。』
『これは何です?』
『サンスル神の守護符です。サンスルリアで問題を起こしたら私が守ってあげられますが、サンスルリアの外では守ることができませんからね。』
『そ、そうか。ハハハ。』
−−白転−−
−−白転−−
『気を付けてくださいね。変な問題起こさないで下さいね。』
『うん!では行って来ます。ジェニをよろしく頼むよ。』
−− 室外へと向かう。 −−
□
−−暗転−−
−− 外へと出てくるイサック。まだ庭園にいたロングソードを発見する。 −−
−− 近寄る。 −−
『え?何?何でまだここに?』
−− 振り向く。 −−
『ハハッ、あちこち神殿の周りを散策してたんです。
これから出発ですか?』
『そろそろ出発しようと……。別れの挨拶もしたし。うん。』
『どうせ旅に出るんだし、旅行必需品でも売ろうかなと思って……一個買ってくれませんか。』
『ハハッ、押し売りかい?』
『いやいや、安いんですよ?秘密保証及び高級情報提供のちょっとした手数料程度?ハハハ!』
『ふむ……でも俺は今、お金をあんまり持っていないんだが……。』
『あなたも余裕がないみたいだし、ただで差し上げましょう。
しばらくは自由に旅をしてください。しばらくはね。
旅に行き先に詰まったら差し上げたそのアーティファクト 「クエイサー」 を使ってみてください。』
『アーティファクト??
ベテラン旅人とか言ってたけど、妙な物をくれるんだね。』
『アハハ、妙だなんて。ちゃんとあなたの役にたつものですよ。
そのアイテムはほんの少し強くなるまでは使用できません。気を付けてくださいね。
使えるようになったらクエイサーを使えば新たなる旅路の幕開け〜。
簡単でしょう?』
『ベテラン旅人じゃなくて、ベテラン商人だな?ハハハ。』
『いやいや〜旅をしていたらわかるはずです。ベテラン旅人とベテラン商人は紙一重なんです。ハハハ!
では、忘れずにいてください。旅の必需品の事をね。』
−− 立ち去るロングソード。見送るイサック。 −−
(面白い人だな。旅に行き先に詰まったらクエイサーを使う。だな。
難しくはないな。新しい経験がたくさん出来そうだな!
日が暮れる前にここを出ないと。急ごう!)
□
−−暗転−−
■ここまでがイサックプロローグです。専用画像の多い小父様です。
下手をすると他のキャラよりも若々しい方かも?とか思ったのは秘密です。
さて、続きの話はナルビクからですが……。新規実装キャラなので1年の規制期間があります。
次の更新は、2011年の10月27日以降になります。
その日までにいくつのチャプターが実装されているのか楽しみですね。■
次の話、Cp0 BonBoyage へ続く
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