Home > ジョシュア(Ep2C0 Deus ex Machina -機械仕掛けの神-) 1p・2p・3p・4p・5p
フィスカー&パーク:
−− ジョシュアが2人の元へと歩いて来る。 −−
『来たな〜!!
いいヤツ〜!!』
−− 袖元で目を覆う。 −−
『いいヤツ!!
おまえは小鳥達の友達だ。しくしく。こんなにいい人がいるなんて。
感動的だ。』
『とにかくエサは約束どおり持って来ました。』
−− ラルヴァのさなぎ5個を手渡す。 −−
−− 小鳥の巣の方を向く。 −−
『さあ、小鳥達。
ご飯だよ〜!』
□
−−暗転−−
−− 袖元で目を覆う。 −−
『本当に感動的だ。しくしく。
そうでしょ、フィスカー大将?』
『うん。これで鳥達も安心だろう。』
『じゃあ俺達も爆弾を持ってゼリーキングの証を横取りしに行こう!!
フフフフ〜。』
『フフフ〜。ボク達はすごく強くて凶悪なんだ〜!!
待ってろ〜怪物ニワトリ!』
−− 足早にその場から走って立ち去るほおひげ団。2人を目で追うジョシュア。 −−
『あの……?』
−− 小鳥の巣の方を向く。 −−
『……本当に分からないな。ここは変な人だらけだ。
あの人達は悪党なのか、それとも恐ろしいほど純粋な人達なのか?
どうして小鳥達が心配でやるべきことをすべて投げ出してこの近くをうろついていた人達が、次の瞬間、爆弾を握って他人の手柄を横取りに行くことができるんだ?
……分からない。』
『……オレには理解できない。
一貫性がないじゃないか……。変だ……。』
ジョシュア:
−− 小鳥の巣に背を向け歩き出す。 −−
『とにかく他のところに行ってみよう。
もうここには用がないから。』
□
−−暗転−−
−− ナルビクの街南部、結界石の近くを南へと走るジョシュア。進行方向にベンヤの姿が見える。 −−
『……。』
『……どうして逃げるんだ?
呼んだのはお前じゃないか。』
『……。
仮面……よく似合っていた。』
『見ていたのか?見ていたくせにどうして今ごろ現れたんだ?』
『私は俳優ではないから。
勝手に舞台上に現れるのは禁止事項だから。
俳優……に取り憑きでもすれば可能かもしれないが、そうもいかない。
取り憑かれるのは嫌だろう?』
『……憑かれるのは好まないが、そんな質問を受けるのも始めてだ。
大抵何も聞かずに取り憑いて侵入するからな。』
『いちいち聞く者などいるはずがない。
別の誰かが侵入するんだ。強奪される。
自分の意思が自分のものにならない感覚を味わうことになるのだから大抵は嫌がる。
相手が嫌がるの知ってるから、拒否するのも分かってるから意思を問わない。
……拒絶されるのはどんな場合でも恐ろしいもの。』
『ふむ。
とにかくオレの質問には答えてくれないのか?なぜ逃げた?』
『逃げているのはあなたの方だろう。
ひどい勘違いだ。』
『オレが?』
『仮面をかぶったのだろう。
それならすでに分かっているはずだ。自分が何を演技しなければならないか。
私がこうして教えに来なくても、もう知っているはずだろう?
人形がある場所を。』
『……。』
『どうして動かない?どうして本のページをめくらない?
どうして同じ位置をぐるぐる回っているんだ?あなたは……!』
■ ベンヤの顔画像ありませんでした。 ■
『これはこれは……。そんなに責め立ててはダメでしょう、かわいいお嬢さん。
まだまだ素人ですね?フフフ。』
−− ジョシュアの背後、町の北側から歩いて来るロングソード。そちらに振り返るジョシュア。視点が歩いて来るロングソードに移る。 −−
−− 立ち止まるロングソード。ジョシュアが振り返るとベンヤの姿が見えなくなっている。 −−
ジョシュア:
ロングソードグッドナイト:
『逃げたか……。
まったく。自分が逃げておきながら他人に逃げるなというなんて。まったくあのお嬢さんも困ったものですね。』
−− 振り返る。 −−
『……。』
『そんな顔しないでください、ジョシュア様。
申し上げたように、私はただ一介の道化師に過ぎませんから。』
『……道化師。
やはり……?』
『フフフ。そんなふうに、すべて分かっているというようにニコニコ笑ってみせても私は動揺しませんよ、ジョシュア様。
私は自分の配役に忠実な方なのです。
ベテランですからね。
あなたがこれまで相手をしてきた、愚かな初心者ピエロ達とは違います。』
『仮面を売り込むことまでしておいて、ピエロ?
冗談でしょう。オレはあなたの商売の腕に少し感動しているんですよ。
世界中の宝が集まって来るケルティカのど真ん中でさえ、オレはあなたのようにすごい商人は見たことがない。
配役を売っておいて、いざ俳優には台本さえ握らせてくれないなんて……。』
『さあ、答えていただきましょうか?』
『逃げたい時に逃げることも悪くないでしょう。
ああ……この潮風。軽快な旅人達の声……。フフフ。ナルビクは本当にいいところでしょう?』
−− 何も言わずにロングソードの脇を歩き過ぎるジョシュア。 −−
『……そうだ、ゼリーキング討伐に参加してみるのも悪くないでしょう。
少なくとも何かしているように見えるからです。』
−− ジョシュアの方を向く。 −−
『アレン様のところにもう一度戻ってみてください。
おそらく何も聞かずに、ゼリーキング討伐に参加させてくれますから。
賭けてもいいですよ。フフフ。』
−− 振り返るジョシュア。ロングソードが転移してその場から立ち去る。 −−
ジョシュア:
『……道化師……か。
まだそんな話をするつもりなのか?
アレンさんのところに戻れだって?
賭け?逃亡……?何を考えてるんだ、あの人は。オレがそんなこと……。』
−−白転−−
『……。
オレが、そんなことを、怖がっているわけが……。』
−−白転−−
−−白転−−
−− アクシピターへと走っている。 −−
『アレンさんともう一度話をしてみよう。
それから……そうしてから……考えても遅くないだろう。』
□
−−暗転−−
■ 画像使い回しです。 ■
『あ、ようこそ。
ゼリーキング討伐令を聞いていらっしゃったのですね?』
(……やっぱり。何も言ってないのにこの自然な流れ。)
(こういう展開はあまりいい構成ではないが、今のオレはそんなことを指摘できる立場じゃないな。)
『どこまで説明を聞いていらっしゃったのか分かりませんが、もう一度ご説明します。
モンスター、つまりゼリーキングの急な出没により人々が困っています。
その被害を最小化するため、王宮では公式的にゼリーキング討伐を支援することにしました。
おそらくよくご存知だと思いますが……ゼリーキングはゼリッピの母体としてゼリッピを生み出し続けるモンスターです。その威力はゼリッピとは比較にならないほど強いと伝えられています。』
『あ、それからゼリーキングは普通のモンスターと異なり、この魔物の羅針盤がなければ見つけられません。
比較的高価なものですが、ギルドを通せば1000SEEDで購入可能です。』
−− ジョシュアに羅針盤を手渡す。 −−
『特別に最初の1個は無料でお渡しします。気絶したら無くなるので2個目からは購入してください。』
『では……これを持ってどこに行けばいいのでしょうか?』
『ゼリーキングはクライデン平原4の辺りにいます。
注意点があります。ゼリーキングは特別な証を持っています。
それを持って帰ることが、今回の任務になります。
証を持って来なければゼリーキングを討伐したということを証明できませんので、気をつけてください。
もしかするとゼリーキングを倒すより、その証を無事に持って帰ることのほうが大変かも知れません。
シャドウ&アッシュのような他のギルドも参加しますし、あちらには正式ギルド員でない流れ者の傭兵達もたくさんいるようですから……。彼らに騎士道はありません。』
『そうですか。クライデン平原4に行って、この魔物の羅針盤を使えば大体の位置が把握できるってことですよね?
そしてゼリーキングを討伐した後、ゼリーキングの証を持って来て初めて任務を遂行したと言えるんですよね。』
アレン:
『……何か抜けていることはありませんか?』
『いいえ。あなたはとても立派ですね。
私が教師ならば一度は教えてみたい生徒です。
それでは、行ってらっしゃい。』
『あれ……何かおかしい。
この地域では普通、黄色や緑のゼリッピだけ生息してると思ったのに、4種類の色のゼリッピがみんな存在するなんて、前はなかった現象だ。』
(フィールド中央の色とりどりのパネル……美しいですね。
各パネルの色は触れ合ってまた新しい色を作ります。
まるで相手と自分が互いに与えた影響が重なっていくように。
ああ〜同じ色は同じ色どうし合わせたほうがきれいじゃありませんか?あのゼリッピを同じ色のパネルの上に乗せることができたらいいのに!
ですが急がなければならないでしょう。時間があまりありません!)
『……ちっ。
……憑依してもいない状態で、他人の体を借りてしゃべらせるなんて……。礼儀のない訪問者だな。
だが法則を教えてくれたことは無視できないな。
ゼリッピを同じ色のパネルに誘導する……ということがこの舞台の法則。
強い打撃を与えてゼリッピがパネルに来る前に死んでしまったら困るから、できるだけ弱く叩いて誘導したほうがよさそうだ。』
−− 各色のゼリッピを誘導後。 −−
(おめでとうございます。やはりこのくらいの問題は難しくないようですね。
しかし次は期待してもいいですよ。)
『この言葉に従うのはあまり気が乗らないが……。
選択の余地がないな。
上のほうに現れたポータルから次へ進もう。』
■ 次マップ侵入。 ■
『ここは墓?
共同墓地か何かだろうか?どうしてあんなふうに並んで……。
うん?碑石に何か書いてるようだけど……。
ざっと読んでみることにしよう。何か重要な手がかりがあるかもしれないから。』
■ 碑石の内容。計9。左下から右方に右上まで。 ■
《ここには8人のステキな若者達が埋まっています。
本人達が大事にしていた物を一緒に入れてあげたかったのですが……。
ルシアンのアレグロ、ボリスのウインターラー、ティチエルの栄光の笏、ミラのエターナルサークル、シベリンのブラッディミスト、ナヤトレイの引導者の目、マキシミンのミストラルブレード、イスピンのシュペリアルキューブ……。みんな主人達に返してください。
-敬具 名前の分からないベテラン旅行者-》
《いや〜お爺さんみたいな冒険家になると言っていたのにこんなに早く死んでどうするんですか?
たまにキイキイ言う音はイマイチでしたがオカリナの演奏もよかったのに……残念ですね。あの世に行ったら友達とみんなで仲良く暮らしてください。》
《この先いくらでも時間のあった若者が大切な時間を深刻に心配ばかりして結局逝きましたね。
人生なんて大したものじゃないですよ。もうちょっと笑って過ごしたらよかったのに。
そうだ、いつもあなたが着けていた古いマントもきちんと広げて入れましたよ。》
《何かあるとすぐに泣くのはよくない癖です。笑う姿がかわいいこと、知りませんか?
どうかあの世では泣かずに笑ってください〜!
そして……死ぬ瞬間まで私をおじさんと呼んだのはひどかったです。
私のどこがおじさんなんですか……。》
《怒りっぽかったですね。あの……高血圧はもしかしたらあなたの死亡原因のひとつかもしれません。
生き残るためにわざと強い振りをしたりしましたね?本当は弱くて優しい自分の心を苦労して隠してましたが、あなたの友達はみんな知っていましたよ。》
《レディ、レディと言いながら……彼女ひとりもできず逝きましたね。
過去は思い出せない、変な悪夢ばかり見てろくに眠れない。
……可哀相な人。もう安らかに眠ってください。》
《あらゆる苦労をして守ってあげたのに分かってもらえずせいぜいペット扱い……。もし生まれ変わったら、いい環境で明るく、子供らしい子供として生きてください。》
《幼い頃から空腹と借金にまみれて、ひどくつらい日々を過ごしたあなた。結局、光を一度も見れず、こうして虚しく逝きましたね。
どこに行ってもあなたの痕跡が残っています。クラド武器店に借金16500SEED、ナルビク魔法商店に借金10500SEED……等々。
そしてシャドウ&アッシュになんと30000000SEED……。
しかしこの瞬間も増えていることでしょう。月5%の利子ですから……。
多くの人々があなたを恋しがるでしょう……。》
《敢えて男装しなくてもよかったのに、男装に苦労しましたね。
それ以外にあまり言うことはありません。私もけっこう大変ですね。
墓碑に文を書くということ……。あなたが最後で嬉しいです。
とにかくさようなら。》
□
−−暗転−−
−− 見終わった墓石の側で立つジョシュア。 −−
ジョシュア:
−− ジョシュアから少し離れた場所に現れる。 −−
『……その墓石を全部読んでみてどうだった?』
−− ベンヤに気づき振り返る。 −−
『そんなふうに突然現れないでくれ。
……いつまでたっても慣れないんだ。人間でないものは。』
『……すまない。』
『……。
いや。』
『そこにある墓は、皆、自分自身に殺された者達の墓。』
『本物の墓なのか?』
『本当だが本物ではない。
偽物だが偽物ではなかったかもしれないものが埋まっている。
その中は空っぽだが、しかし本当に何かが死んでしまったものなのかもしれない……。
この世界は、歪んでいるから。』
『歪んでいる?』
『そう……この世界は、今のこの世界は、私を生かし動かすほどに壊れている。
幻影だけが踊り騒音を奏でる舞台、影達の舞台だ。』
−− ジョシュアの側まで近寄る。 −−
『本の中の物悲しい死は哀悼する価値があるか?考えてみたことがあるか?
時として美しい話の主人公は、話の結末を飾るために殺される。
その主人公達は……どこに行くのだろう?
彼らの影は、彼らの墓碑は、どこに居場所を見つける?
渾身の力を尽くした俳優は舞台から下りる時、その配役をどこに埋めるのだ?』
『とにかくお前の話が正しければ、あの墓の主人は自分自身を殺したということか?』
『そう。また別の自分を。
それも何度も何度も斬った。
お前のように逃げなかった……。』
『オレは……!』
−− ベンヤの姿が消え、再び現れる。 −−
『……!』
『……さあ、私はもう退場する時が来た。
私の台詞は終わったから喜んで幕の向こうに消えてやろう。それが私の……役目だから……。』
−− 掻き消えるようにその場から立ち去る。 −−
『おい!!』
−− 背後から兵装の2人組が現れる。振り返るジョシュア。 −−
『……。』
−− 兵装の左側人物がジョシュアの側に近寄る。 −−
『……今度の舞台はこれなのか……。
よし、相手してやろう。』
−−破転−−
■やっぱりキリ悪いですが、容量の関係で切り!
無理矢理参戦させられてる感じがありますねぇジョシュアさん。■
→続きの話、ゼリーキング討伐続きへ
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