Home > ボリス(Ep1p 剣を追うもの)
『隊員達の活動状況はどうなっている?』
『ほとんどの隊員達は任務を終了し、それぞれ訓練に入った模様です。
ただし1チームを除いて……。』
『む!?そのチームとは?』
『第6チームであります。
カルツ商団の後継ぎとなるルシアンと、彼のガードであるボリスが属しています。
第6チームは任務の遅れを取り返すため、同時に多数の任務を遂行しています。』
『むぅ。心配させおる。
正規チームと比べてひとり少ないのも気がかりよの。
彼らの状況を知りたい。』
『それでは早速調査を開始いたしましょうか?』
『うむむ……。』
−− 袂(たもと)から丸めた羊皮紙を取り出し広げて見る。 −−
『そうだな。そこにいるキミに頼んでみるとするか。彼らの状況を把握するのは、さほど難しくないだろう。
やってみる気はあるかね?』
■ここに見る見ないの選択肢が入ります。■
『そうか……ありがとう。
隊員達はワシの息子同然でな。
なぜかあのチームは気になるね。
この前の事件もあったからそうかもしれないが。
では、頼んだぞ。』
□
−−暗転−−
Episode1 Apparition発顕
Prologue 剣を追うもの
−− 刺々しい丸い鉄球のハンマーを持つ男が1人誰かから逃げるように息を切らし走ってくる。
追跡する金髪の少年の様子を見るためだろう、速度を落とし後ろを振り返る。 −−
ルシアン『待てっ!!』
名無し悪党:
−− 必死に逃げる逃走者の行く手を遮る方向から、同じ追跡者である黒髪の少年が走ってくる。逃走者を挟み撃ちにする作戦なのだろう。
逃走者がそのことに気がつく。 −−
名無し悪党:
−− 逃げ場所がなく徐々に崖下へと追い詰められて行く。 −−
名無し悪党:
『へへ、もう逃げられないよーだ。』
−− さらに追い詰めるため数歩近寄る。 −−
『盗んだものを返してもらおうか。』
−− 同様に数歩近寄る。 −−
『おとなしく返したほうが身のためだよ♪』
『わ、分かった!返す!返させていただきます!
宝石はここに置いていくから乱暴だけはやめてくれ。』
『なぁーんか、僕達の方が悪者みたいだね。
「乱暴だけはやめてくれ」だって。』
−− 逃走者が自身のすぐ側に宝石を置く。 −−
『…………。』
『悪あがきしても、ためにならんぞ。宝石をこちらへ投げろ。』
−− 突然腹部を押さえ白々しい訴えをしだす。 −−
『あうっ!ハラ痛ぇーーっ!』
−− 慌てて逃走者に近寄る。 −−
『ええっ!?大変だ!このあたりにお医者さんいないよっ!?』
『バカめ!!』
−− ルシアンが油断した隙を狙い脇を潜り抜け逃げる。 −−
『こいつ、僕をだましたな!待てっ!』
−− 逃げた男を追いかけよう走り出したルシアンを止める。 −−
『ルシアン!放っておけ。俺達の任務はここまでだ。』
『……うん。』
−− ボリスが男の置いていった盗品の宝石を拾い上げる。 −−
** 貴婦人の宝石 **
『貴婦人の宝石を取り戻す任務はこれで完了だな。』
−− 追うことを止め、立ち止まっているルシアンの所へ行きながら。 −−
『しかし……これからは気を付けろよ。敵に同情はいらない。
今回は運がよかったが、こういうミスが命取りになることも多い。』
−− やれやれと言わんばかりに答える。 −−
『分ったよぉ。
またボリスの心配性が始まったよ。ちょっと油断しただけじゃないか……。』
『…………。』
−− つまらなさそうに後ろに広がる森を見る。 −−
『あーあ、それにしてもなんでこんなにつまらない仕事ばかりなんだろ?
退屈すぎてあくびがでちゃうよ。』
『簡単な仕事をたくさんこなして、楽にポイントを稼ごうと言ったのはルシアン、お前だろう。
そうやって、早く俺達の評価を上げるんじゃなかったのか?』
『でもさ、やっぱりこんなのは冒険じゃないよ。
冒険っていうのはもっとドキドキワクワクするような何かが”バーン!”って。』
『水を差すようで悪いが、そんな大事件が俺達のような見習い騎士に回ってくることはない。
そもそも、そんな大事件がそこら中で起きていたら困るだろうが。』
−− ルシアンから少し離れた場所まで歩き、話す。 −−
『お前の夢が冒険者になることだということは知っている。
その為にまずお前の父上に実力を認めてもらう必要があることも。
アクシピターで高く評価されること、このことが実力の証明になる。
ならば今のように着実にポイント稼ぎをするのが一番だ。』
−− ルシアンのほうに振り返る。 −−
−− うなだれる −−
『でも……だって……。』
『ぐずる暇があったら、次の仕事だ。
ライディアに行くぞ!』
−− ボリスを追い越し言う。 −−
『えーっ!ていうか仕事終わったばっかりじゃん。少し休もうよ。』
『俺には関係ないが、それではいい成績は出せないぞ。
ろくな任務が与えられない俺達のようなチームが、他の貴族のボンボンどもを出し抜く。
そのためには、彼らが嫌がる面倒な仕事を確実にこなしていくしかないんだ。』
−− 肩を落とす。 −−
『でも、僕達充分働いてるから、少しぐらい遊んでもいいんじゃないかな……。』
『自分が怠けないように厳しくしてくれと俺に頼んだのは、他でもないお前自身だったな。』
『むむむ……。』
『悩むふりをしてもごまかされんぞ。早く来い。』
−− そう言うと先行して歩いて行く。 −−
『分ったよぉ。』
−− ボリスを走りぬきながら。 −−
『さぁライディアへ行こう!』
ボリス:
□
−−暗転−−
−− 日の落ちた森の中をライディアに向かって歩く2人。 −−
『あれっ?いつのまにか暗くなってる。
疲れてきちゃった。』
ボリス:
『それに…………脚が…………痛いよぉ。』
−− のろのろと歩を進める。 −−
『ボリスぅ……もうダメかも。』
『仕方がないな、少し休むか?』
−− すっくと立ち上がる。 −−
『うん!へへ。』
−− ボリスが焚き火をおこし焚き火を囲む。 −−
『……おなか減ったな。』
『ボリスぅ、なにか食べるモノない?』
『無い。』
『じっとしてると、おなか減っちゃうよ。』
『我慢しろ。』
『そうだ!久し振りにオカリナの練習でもしようっと。』
−− オカリナを取り出すと、所々間違いながらもたどたどしい旋律を奏でる。 −−
『どう?僕のオカリナ、少しはマシになったかな?』
『さぁ……昔よりは上手くなってるかもな。』
『まだまだってこと?』
『ラグランジュ爺さんが残した大切な宝物なのに。
うまくなりたいな。』
『ボリス、お兄さんについては何か分かった?』
『…………。』
『そっか……。』
『…………。』
『あーあ、いつになったら僕も爺さんみたいな大冒険ができるのかな。』
□
−−暗転−−
−− 切り立った崖上の下方から、兄弟と思しき2人の人物へと視点が移動して行く。 −−
『ボリス、よく聞け。
これから兄さんは重要な任務に行ってくる。
もしかしたら、二度と戻ってこられないかもしれない。』
『え?兄さんどこいくの?
もどってこれないなんて嫌だ。
……そうだ、もどってこれないのなら、いかなければいいんだよ。
』
『だめだ、ボリス。これは重要な任務だから行かなくてはならないんだ。』
『?いかなくて……ならなくて???
わからないよ。』
『もう少し傍にいてやりたかった……。
……ボリス。』
−− 腰に帯びていた剣を幼いボリスに手渡す。 −−
『この剣はジンネマン家の家宝ウインターラーだ。
これをお前に託す!
これは兄さんが戻って来るために必要となる大事な剣なんだ。
だから兄さんが戻るまで、ちゃんと持っているんだよ。』
『うん。』
『もし、もしも兄さんが帰ってこなかったら、お前がオシャレと呼ぶ、兄さんの友達を頼るんだ。
ボリスは強い子だから分かるな?』
『……うん、わかった!兄さん。』
『じゃあ、兄さんはもう行くよ。必ず戻ってくる……。
その時まで、泣かないで待ってるんだぞ。
ボリスは男の子なんだからな。』
『兄さん!』
□
−−暗転−−
イェフネン:『……ボリス。』
『兄さん……。』
『ボリス!
ボリス!!起きろ!』
−− 少しずつ視界が明るくなっていく。 −−
『ルシアン?』
『お客さんみたいだよ。』
−− 立ち上がり、辺りを見回すボリス。 −−
『……ふむ。』
−− ルシアンの背後方向から1人。 −−
ルシアン:
−− ボリスの背後方向からもう1人、系2人の男が現れた。 −−
ボリス:
『アニキぃ、こいつらですぜ!』
『なんだ、さっき逃げたヤツか。』
−− 先ほどの逃げた逃走者に視線を向ける。 −−
『武器がゴツくなっているが、そのようだな。』
『ジャック、確かにこいつらなのか?
強いヤツらというのは。』
−− 髪の長いアニキと呼ばれた悪党へと視線を向ける。 −−
『そうだよ、アニキぃ。
オレを脅して宝石を奪ったんだ!』
『仕返しに仲間を連れて来るとはな。分りやすいヤツだ。』
『…………。』
『シラク兄貴?』
『お前があれだけ言うから、どんなスゴいヤツかと思えば……。
こんなガキどもにビビって逃げてきたのか!?』
『さっきは装備が悪かったし……それにこいつら見かけより強いっていうか……。』
『黙れ、黙れ。
お前を部下にしたオレがバカだった。』
『アニキぃ。』
『しかし驚いたぞ。オレに逆らおうとする怖いもの知らずがまだいたとはな。
それともオレをまだ知らないだけなのか?
ふふふっ。
あの世で後悔しても遅いぞ…………ん?』
『まさか、こいつ……。』
『後悔するのはお前達の方だと思うがな。
出来の悪い部下の前で恥の上塗りをしたくなければ、このまま立ち去るがいい。』
−− シラクの方を見る。 −−
『そうだ、そうだ。僕とボリスを甘く見るとヒドイ目にあうんだぞ〜。』
『……やはりな。
偶然とは恐ろしいものだ……。
おい、そこの黒い方。
ボリス・ジンネマンだな?』
『!!!』
『あれぇ、なんでボリスを知ってるの?僕達ってそんなに有名になったのかなぁ。』
−− 詰め寄るように1歩、歩を進める。 −−
『捜していたぞ、ボリス・ジンネマン
いや、”冬の剣”ウインターラー!』
『何の話だ?ウインターラー?』
『とぼけても無駄だ。
オレ達は剣を追って遠くトラバチェスの国から、このアノマラド王国まで来たんだからな。』
『何かの間違いだろう。ボリスはありふれた名前だし、俺はそんな剣について聞いたこともないぞ。』
『あくまでとぼける気だな。
おとなしく剣を渡せば命だけは助けてやったんだが……。
戦いたいというのなら仕方がない。』
■選択肢の時間です。最初は2種。渡す渡さない。ですが、時間切れギリギリで3つ目が出ます。使う。
当サイトでは時間切れを採用しておりマス。■
『なんのつもりか知らんが、命を粗末にするな。』
『口だけは達者だな。
さっきの屈辱を倍にして返してやる。
覚悟しやがれ!』
−−白転−−
−− ジャックがルシアンに攻撃を仕掛ける。攻撃を受け、後退し膝をつく。 −−
『ぐわっ!』
−− 声に振り返る。 −−
『ルシアンっ!』
−− シラクがボリスの隙を突き、銃を撃つ。攻撃を受け、膝をつくボリス。
くすぶっていた焚き火が踏みつけられ消える。 −−
『く……。』
−− 退路を塞ぐように2人に詰め寄るシラク達。 −−
『これまでのようだな。
最初からおとなしく渡しておけばよかったのにな。』
『ダメだ…………これだけは絶対……ゼッタイ……。』
『ダメだっ!!!』
−− 視点が勢いよくボリスへと接近して行く。 −−
−−白転−−
−− 暗闇の中、声が響く。 −−
左上声:『……必要なのか?』
右上声:『守りたいのだろう?』
中央声:『……力が……。』
左下声:『俺に……血を……。』
右下声:『お前に……力を……。』
左上声:『……契約……。』
左下声:『欲しいのだろう?』
中央声:『……貸してやろう。』
−−赤転−−
−− ボリスの足元に魔法陣が出現する。 −−
−−赤転−−
シラク:
−− シラク達の周辺が急激に冷え、凝固する氷の粒が見えたと思ったとたん2人が凍りつく。 −−
ルシアンとボリス:
『なんだったんだ!?さっきのは……。』
−− 凍ったジャックをまじまじと見る。 −−
ボリス:
−− 凍ったシラクを見る。 −−
『むー、なんだ!?』
(俺が魔法を使ったのか?……いや、これは俺の力じゃない……。
まさか……ウインターラーの封印は完全ではないのか?
まずいな。今の俺ではウインターラーを制御できない……
しかも万が一、人の手に渡ったりしたら……)
−− 凍ったシラクの後ろに回り込む。 −−
『何が起きたんだろう!?』
『…………。
……ルシアン。』
『ルシアンっ!』
『ん?』
『ライディアの町へ急ごう。
これ以上時間を無駄にすると面倒なことになる。』
『こいつら完全に凍り付いてるよ?少し調べてみたほうがいいんじゃない?』
『ダメだ。今すぐ出発するぞ!』
−− そう言うと、ライディアへ向かって歩いて行く。 −−
『……分った。じゃあ行こうか。』
□
−−暗転−−
−− 辺りを見回すルシアン。振り返るボリス。 −−
『やっと着いたー。』
『そういえばボリス……。』
『…………?』
『僕達の任務って、なんだったっけ?』
『アクシピターの手紙をライディアの町長に届けることだろう?』
−− 町長の家の方を見るボリス。そのまま視点が町長家周辺に移動して、再び戻って行く。 −−
『そう、それそれ!』
『………。』
□
−−暗転−−
■ここまでがボリスプロローグです。ほとんどがルシアンと同じなので、見所は……。ルシアンの底抜けの明るさでしょうか?
もう一つの見所(?)の幼ボリスのセリフはイメージと差があったので、修正してしまいました。
お兄ちゃんも可愛いんですが、CP4との差がもの凄いので(滝汗)■
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→次の話、C1 期待と不安 へ続く
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