Home > クロエ(Ep2Cp0 Femme Fatale) 1p・2p・3p・4p・5p
■ 馬車後部のみの絵でしたが使いまわしました。 ■
−− クロエ達の乗る馬車がナルビクへと到着する。 ナルビク最南部入り口から北部へと滑らかに画面が移動して行く。 −−
(人生を事件の連続と言うのならば、そのすべての事件は当事者にとって、単純な偶然のように見えるものだ。
しかし実は、世の中のすべての事件は必然的なもの。
結局は原因があるから結果が存在するのだ。
生の原因……。それを宿命と呼ぶ。
原因は行為、行為は選択から始まるもの……。)
(だから誰かに言ってほしい。自ら選べと。
本当にわたくしのものだと言える宿命。わたくしが責任を負うべき生を選べと。)
■ 同じく使いまわし。薔薇側の部分だけでした。 ■
−− エシェルト邸前にいるクロエ達の姿が見える。 −−
−−白転−−
『……まっすぐ入って行っても大丈夫よね?』
−− 右側の兵士1人。 −−
『も、勿論です。
しかしまだ危険なものがあるやも知れません。護衛兵を連れて行かれたほうが……。』
『好意はありがたいけど、必要ないわ。』
『し、しかし……。
か弱い淑女達だけでは、万が一、何か起こったら……。』
『大丈夫よ。セティリアがいるから。
この子の剣は見た目より鋭いわ。』
−− 上級兵士2人が焦る。 −−
−− 少しの間の後、2人の兵士が同時に。 −−
『しかし……。』
『わたくしがあなた達の助言に従う必要があったかしら?』
−− 右側、左側下兵士が焦る。 −−
『い、いいえ!
行ってらっしゃいませ!!』
『行きましょう、セティリア。』
『はい。』
□
−−暗転−−
−− 部屋の中央、ピアノの前に立つクロエ。一度調べただろう本棚の前へと移動する。そのクロエに付いて移動するセティリア。 −−
『…………。
これが全部ではないと思うの。
本当に大事な物をこんなにさらけ出して保管するはずないわ。』
『こんな田舎で、大胆にもケルティカを狙うほどの男だったなら、間違いなくもう少しすごい物を隠してるはずだわ。』
『何か探している物があるのですか?』
『……いいえ。』
−− 何かを感じたのか左手側を向き、もう一つ別の本棚付近へと歩いて行き辺りを見回す。すると突然隠し通路が現れる。 −−
−− 隠し通路の傍へと近寄る。 −−
(やっぱり!
こんな所に通路があるなんて……。まるで入って来いと手招きしているみたいだわ。)
『お嬢様、危険です。お下がりください。』
(……間違いなくここに何かがあるわ。)
『お嬢様!』
−− 隠し通路に入り移動するクロエ。 −−
『クロエお嬢様!』
−− 後を追い隠し通路に入る。 −−
□
−−暗転−−
『ふむ……。
思ったより広い空間ね。
こんなものを作っていたなんて、エシェルト伯爵もなかなかのものね。
目の前にいたら一言褒めてやるのに。
元はもっと多くのトラップがあったようだけど、全部壊れてしまったみたいね。
苦労して作ったものだろうに、今はあんなモンスター達の遊び場になってしまったなんて……。
残念ね。
わたくしの進む道をさえぎるとは……。
ふふ。容赦はしない。わたくしに抗ったことを後悔させてやるわ。』
−− そう言うと、眼前に立ちはだかるモンスター達を屠っていく。 −−
□
−−暗転−−
+経験+
『ふむ……。すごいコレクション……。すばらしいわ。
一介の田舎貴族のくせに、面白い物をたくさん持っているじゃない……。』
−− 右上の実験機器に近付き眺めると、左上の実験機器を眺める。 −−
『こんな物もあるのね?それに……。
羊皮紙もいい物を使ってるわ。あら、マナ精製用にこんな物まで?ふふふ。贅沢ね。』
『……こんなに身の程知らずだから、零落するのよ。』
−− 部屋の左隅にある机の傍まで歩いて行く。 −−
『…………。』
−− クロエに追いつく。 −−
『お嬢様!!
お嬢様、ひとりで動かれてはいけません!』
『……セティリア。これちょっと見て。』
『お嬢様、聞いていらっしゃいますか?』
『これを見て、セティリア。』
『白紙……ですか?』
『白紙よ。
今はね。』
『……はい?』
『ついさっき、わたくしが広げた時には、ここに文字が書いてあった。
書信のようだったけれど……。よく見たら、書きなぐった写本だったわ。』
『インフェイズフェノミノンに関する記録はこれが全部。ガナポリーの栄光の記録が災いに変わった時、その記録も悲嘆に満ちた呼気に混ざり、散らばってしまったからだ。
しかし振り返ってみると、もとより記憶とは歪曲であり、真実は神話の埃をかぶり色あせていくもの……。人間の全ての歴史がそうであったように……。
消失した文字の羅列は、結局灰の山のようなもの。
未練を捨てて目を開け。その扉が再び開かれる日が来るだろう。
誰も知らない場所で音もなく、ひとつの時代が終止符を打つ日が……。』
『ふふ……。わたくしの家の書斎にもある本だから、はっきり覚えている。
それはとても興味深い伝説だから。』
『伝……説……?』
『腑に落ちないという表情ね。
ふふ。でもいいわ。こういう現象を見たことだけでも、ここまで来た甲斐があるから。』
『目の前で文字が揮発し、白紙だけが残った。
決してロウソク遊びなどではないわ。本当に消えたのよ。』
『文字が消えるなど……。申し訳ありませんが私にはまったく理解できません。
そんなことより、はやくこの怪しい所から出ましょう。』
『分ったわ。どうせもう見る物もなさそうだし。』
『ここから出ましょう。』
−− 出口へと向かう。 −−
□
−−暗転−−
−− 沢山の護衛兵と私兵が警護する庭園。邸宅から最も遠い位置を警護していた私兵が何かを話している。 −−
『……だって。
まったく変わったことも起こるもんだよ。』
『ああ。最近の世の中はどうなってるんだ……。
まさかゼリーキングがまた登場するなんてな。』
−− 別の場所を警護していた上級兵士が歩いて来る。 −−
『そこ!!何をひそひそしゃべってる!!
緊張感がないぞ!』
(ゼリーキング?
アノマラド南部地域にゼリーキングが出没して問題になったのは昔のことではなかったかしら?)
(なぜ今さらその話をしているのかしら?
もう討伐されたものと思っていたけれど……。)
『お嬢様、どうされました?』
『…………。』
私兵達:
『あっ、ご無事でしたか!フォンティナ公爵ご令嬢。』
『ゼリーキング討伐って何の話です?
ゼリーキングはもう退治されたのではなくて?』
『はっ!以前のゼリーキングは討伐されたそうですが、今回またゼリーキングが現れて、また討伐令が……。』
『口を慎めっ!!
つまらない話でお嬢様のお心を乱すな!!』
『わたくしの言葉に答えないことの方が不快です。あなたの方こそお黙りなさい。』
『……はい、お嬢様。』
『ゼリーキングがまた現れたなんて、どういうことかしら?』
『私どもも詳しくは……。しかしゼリーキング討伐令についてはギルドに行けば詳しく分ると思います。
誰でも参加できますから。』
『待て!ずうずうしくもお嬢様に、そんな事に参加しろと勧めてるのか?』
−− 左端兵士 −−
『そ……そうではなく……。』
−− クロエ左隣の兵士 −−
『ただ質問にお返事を……。』
『…………。』
(……ギルドといえばアクシピターのこと?シャドウ&アッシュを訪ねたほうがおもしろそうだけれど、やはりウワサが広まるでしょうね。)
『では、お嬢様。もうお家へ帰り……。』
『セティリア!何か関係がある感じがしない?
興味が湧いたわ。』
『お嬢様!!』
『アクシピターに行ってみるわ。
白紙を見るためだけにここまで来たのではないから。間違いなく何か他の情報があるはずよ。』
『一体お嬢様がどんな情報を探していらっしゃるのか、私にはまったく分りません。』
『分らなくてもいいわ。
私もよく分らないから。』
『しかし、こんな所のアクシピター支部に直接立ち寄る必要は……。』
−− 話を聞かずに足早に歩き出す。 −−
『では、みんなご苦労だったわ。』
兵士一同:『お気をつけて!』
−− 後を追いかけながら言う。 −−
『フォンティナ公爵ご令嬢がお帰りになる!
護衛せよ!』
『クロエお嬢様!!
アクシピターに行かれるのは絶対に……。お嬢様!!』
−− 慌てて後を追う。 −−
□
−−暗転−−
アレン:
『お嬢様、もう一度申し上げますがこんな所へいらっしゃる必要は……。』
『お黙りなさい。あなたはおせっかいがひどすぎるわ。』
『あ、あの……。どうしてこんな所までいらっしゃったのか分りませんが……。』
『あら、あなたはなかなか利口そうだと思ったのに、わたくしの思い違いかしら?
ここへ来た時に単刀直入に言ったでしょう?』
『ゼリーキング討伐に興味があると。』
『お嬢様!とんでもないことをおっしゃらないでください。
一体どうしてお嬢様がそんな事を……。』
『セティリア。わたくしはその事に興味があると言っただけよ。参加するとはまだ言ってないわ。
わたくしが知りたい事を尋ねるのがだめなんて……。誰があなたにそんな権利を与えたのかしら?』
『……申し訳ありません。』
『何の目的でゼリーキング討伐について知りたいのかは分りませんが……。とにかく知っている限りに申し上げます。
モンスター、つまりゼリーキングの急な出現により人々が困っています。
その被害を最小化するために、王室では公式的にゼリーキング討伐を支援することにしました。
おそらくよくご存じだと思いますが……ゼリーキングはゼリッピの母体としてゼリッピを生み出し続けるモンスターです。その威力はゼリッピとは比較にならないほど強いと伝えられています。
あ、それからゼリーキングは普通のモンスターと異なり、
この魔物の羅針盤がなければ見つけられません。
比較的高価なものですが、ギルドを通せば1000SEEDで購入可能です。』
『ふむ……。この前出現した時と同じようね。
ではあの時ゼリーキングを討伐した人は誰なの?その人に頼めばずっと効率的に討伐できるでしょうに。』
『そ、それが……。』
『確かに記録しておいたと思ったのですが、いくら探しても資料が見つからないんです。
おかしな事です。
間違いなくアクシピターで討伐に成功して、報奨金を支給した記録があるのに……。
肝心の、誰だったのかはどの記録にも残っていないのです。』
『!』
『どの記録にもない……?』
『フォンティナ様?』
『……面白い話を聞かせてくれてありがとう。
では……。』
『お気をつけて、フォンティナ様。』
−− クロエとセティリアが外へと出て行く。 −−
『ふう……。びっくりした。
そうでなくても目がまわるほど忙しいのに、フォンティナ家の令嬢がこんな所までいらっしゃるなんて……。
一体どういうことだ?
……それでは私はまた仕事を……。』
−− 仕事に戻ろうと踵を返す。 −−
『しまった!!
うわ……。どうしよう。忙しいと言ってもこんな失敗をするなんて……。
せっかく、お金を出してもお会いできないというフォンティナ家のご令嬢を前にして、
シュワルター支部長をよろしくという一言すら言わないなんて!
私は本当にバカだ。うまくいけば支部長を救うことくらい簡単にやってくれただろうに……。
はあ……。』
□
−−暗転−−
■ 次は宿屋での回想ですね。何があったんでしょう、この時……!とは思いつつも現時点で進めていないのでさっぱりです。
終わるまで、後二回分は更新入りそうですねー。 ■
→続きの話、宿:海の中へ
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