Home > ティチエル(Ep1p 少女 旅立つ)
ティチエル:
−− 男性に背を向け歩き去る。 −−
−− 後ろを肩越しに振り返り言う。 −−
『さて……そろそろ私も旅立ったほうがよさそうだな。』
『うっ!
誰だ?
ああ……君か。
失礼。
危うく手が出るところだった。
それはともかく、ティチエルのことが心配だよ。
あまりにも純粋でね。心配なんだ。
最高の魔力と最高の幸運があの子を守ってくれるだろうが、それでもまだ子供なんでね。
そろそろ行かねば。
私は追われる身だ。ティチエルを守ってやれない。
頼む。……うちの娘がよくやってるか、しばらく見てやってくれんかね?』
■ここで見る見ない選択肢です。■
『
ありがとう。
これで私も、少しは気楽に旅立つことができる。』
−− そう言うと転移魔法を使いその場から移動した。 −−
□
−−暗転−−
『状況は?』
『ご覧の通り、もう逃げたようです。
栄光の笏は……見つかりませんでした。』
『自ら家に火をつけるとは用意周到だな。
わずかな手がかりをも残さないつもりか?
栄光の笏を素直に渡す気はないようだ。
追跡は?』
『はっ、すでにやっております。』
『娘がいると言っていたな。
あいつと関わりのある者も調査しろ。
他の者に任せている可能性もある。』
『はっ。』
−− 指令を受け断罪者3人が転移する。 −−
『最後の悪あがきか。
フフ……それも、あと少しだ。』
−− そう言うと彼も転移していった。 −−
□
−−暗転−−
Episode1 Apparition発顕
Prologue 少女旅立つ
−− 風景がスライドして行き、船員や他の客達の姿を映す。 −−
■この時シラク達が客として映ります。ルシアン達の任務は、ティチエル到着後随分経ってからになるのでしょうね。■
『あら、もうナルビクに着いたのかしら?』
『嬉しいなぁ♪えへへ。』
『飲み物をどうぞ。』
『あ、ありがとう。 わたし、ティチエルといいます。』
『ええ……。』
『ホント、ぽかぽかお天気でいいですね〜。
ここはいつもこうなんですか?』
『そうですね。
南部はいつも晴れて暖かいです。』
『ホントですかぁ?』
『わあぁ〜うれしい〜。
いつもぽかぽか、うらやましいですぅ。
散歩をするのにいい天気ですよね。
わたしはドラケンズ山脈に住んでいるの。パパといっしょに。
こことは全然違うけどとってもキレイなところなんですよ〜。』
『パパにナルビクまでお使いを頼まれたの。それでここまで来たんですよ。』
『うん?こんな遠くに一人で?
誰かと一緒じゃないのかい?
お母さんとか……。』
−− 船長の方を向く。 −−
『う〜ん……。』
『あ、す、すまん。いらんお節介だな。』
『パパがね、ママは天国にいるって。
でも、天国は遠すぎて帰ってくるのが大変らしいんです。』
『まあとにかく、お使い頑張りな。
ナルビクは散歩するにもいい町だよ。
ちょっと遊んでから帰るといいだろう。
ははは、急いで帰る必要がないならね。』
『えへへ、ありがとう。』
『パパもいっぱい遊んで来なさいって言ってたの。
船長さん、今日はありがとう〜。
おねえさんもね〜。』
ティチエル:
−− 店員と船長に手を振ると、2人も手を振り返す。 −−
店員と船長:
−− 2人と別れ船首へと向かう。 −−
『ホントにキレイだわ、港のある町は。』
『なんか面白いものがいっぱいありそう〜。』
『本当に美しいですね〜〜。』
−− ティチエルが旅行者の方を向く。 −−
『キラキラ輝きながらも、透き通るように透明な海は、まるで私の瞳を見るようです。はぁぁ〜〜。』
−− ティチエルが謎の旅行者の傍に歩いてくる。それに気が付いた旅行者がティチエルの方を向く。 −−
『あっ、私の話が聞こえたんですか?』
『あ、はいっ。』
『これはこれは。あまりにも感慨にふけっていたので、つい口から外に出してしまったようです。
私の考えていたことがばれてしまいましたね、ふふふ。
いや、それはともかく美しいお嬢さん、あなたもひとりで旅行を?』
■シベリンさんと同類ですかこの方は……。と、ふと思ってしまいました。■
『はい〜ここはとってもステキで、とっても期待してるの!
わたし、こんなに遠くまで来たの初めてなんです。えへへ……。』
『私の名前はロングソードグッドナイト、ベテランの旅行者です。
最近はこの辺を旅行してます。』
『何か知りたいことがありましたら、いつでも聞いてください。
私のようなベテランに会えたことは、とてつもない幸運といっていいでしょう、ふふふ。』
『そうですかぁ。
旅行者なら、いろんな所を見て回ったんでしょうね、うらやましいなぁ。』
『わたしはティチエルといいます。
今回が始めての旅行なので、胸がドキドキしてるの〜。』
『そうですか。
しかし旅行するときは気を付けておくべきですね。危険な所や悪い人も多いですから。
少なくとも私ほどになっておけば、どんなときでも安心できますからね。ふふふ……。
ベテランの旅行者として、お嬢さんのように世情に疎い方は、危うくて心配でなりません……。』
『あら?あれは何?』
−− 嬉しそうに船の手すりに駆け寄る。 −−
『そ、そんな……。』
□
−−暗転−−
−− ナルビク波止場からスライドしていき、アクシピター方面へと歩いて行くティチエルに追いつく。 −−
■途中、ジケル・マリク・サテラの3人の船員が映ります。ミラサイドと照らし合わせて考えると、ミラ指示後かな? と言うことはロングソードが先に下船したようですね。■
−− きょろきょろと辺りを見回す。 −−
『わぁ〜ここがナルビク?』
『広くてキレイね〜。』
『そういえば……パパがアクシピターに行ってみなさいと言ってたけど……どこなのかなぁ?』
■ティチエル、後ろー後ろー!って言いたくなりますね(苦笑)■
□
−−暗転−−
『大将〜〜おなかすいたよう。』
『ミラに付いてここまで来たけど……。
船は奪われ、罰金を払わなきゃ……。
何とかしなきゃ。
カモにできそうなヤツでもいないかな?』
−− 画面がスライドして武器屋前のティチエルに移る。 −−
−− 武器屋前で辺りをきょろきょろ見回す。 −−
『う〜ん?
困ったわ……。』
−− フィスカー達から少し離れた場所まで歩いて来て、また辺りをきょろきょろ。 −−
『誰かに聞いてみようかしら?』
■困っているように見えないのは気のせいですか?(苦笑)■
『よし、あの子だ!』
−− その声にパークもティチエルを見る。 −−
『ドンくさそうでちょうどいいカモだ!』
『いいカモだ!』
−− 道を訪ねる為に2人に声をかける。 −−
『こんにちは〜、わたしはティチエルです。
聞きたいことがあるんです。
アクシピターはどこにあるんですか?』
−− 2人がティチエルの傍に寄ってくる。 −−
『ああ、アクシピターだな?
知ってるよ。』
『知ってるよ。』
−− ティチエルがパークの方を向く。 −−
『しかしただ教えるだけじゃつまらない。
賭けをしないか?』
−− ティチエルがフィスカーの方を再度向く。 −−
『どうだ?』
−− パークの方を向く。 −−
『はい、なんでしょう?
それは面白いことですか?』
『ささ、俺のこのサイコロだけど、これを投げたらどんな目が出るかな?』
−− ティチエルがフィスカーの方へ向き直る。 −−
『当てたら俺がアクシピターまで案内してやる。
その代わり間違えたら罰を受けてもらう。』
『面白いだろ?』
−− パークの方を向く。 −−
『わぁ〜面白そう〜、えへへ。』
『う〜む……。3です!3が出ます!!!』
(ふふふ、掛かったな。このサイコロは4しか目が出ないサイコロなんだよ)
(4だけだよ〜)
『さて、では投げてみるか!』
−− サイコロを投げ上げる。 −−
『こ、これはいったい!?』
ティチエル:
『ど、どうして〜?』
『えへへ、当たった〜!
3が出ましたね。』
『賞品はなんですか?
あ、そうですよね、アクシピターまで案内してくれるんでしたよね?』
フィスカーとパーク:
『おい、おまえ!
いったいどういうイカサマをしたんだ?』
『ペテン師!』
『このサイコロは4しか出ないようになってるんだよ!』
『あら?そうなんですか?
わたしがやってみますわ。』
−− サイコロを投げ上げる。 −−
『あらら?また3が出ましたけど?』
『な、なんでぇ!?』
−− ティチエルがフィスカーの方を向く。 −−
『何でもいいから金目の物を全部よこせ!
俺たちはすごく怒ってるんだぞ!』
『怒ってるんだぞ!』
『あのぉ……わたしが当てたのに……アクシピターまで案内してくれないんですか?』
『俺も知らない、そんな場所は!』
『持ってるいいもの全部よこしな!』
『え?わたしの持ってるいいものですか?』
『わたし、いいの持ってます!
一匹あげるですぅ〜えへへ。』
『い、いっぴき?』
『さあ!』
『うぎゃあああ!
な、なんだ、カエルじゃないか!』
『俺たちをバカにしてるのか?』
『し……してるのか?』
『おまえ、お仕置きしてやる!』
『かえるさん、ホントにいい子なのに……。』
『えいっ!爆弾でもくらえ!』
フィスカー:
−− 座り込む。 −−
『こっちにおいで〜かえるさ〜ん。』
−− かえるがティチエルの元に戻ってくる。 −−
−− 爆弾とティチエルの傍に近づく。 −−
『あれ?何で爆発しないんだ?
変だな……。』
−− パークも傍に近寄る。 −−
『変だな……。』
『その爆弾、こっちによこしてみろ。』
『は〜い。』
−− フィスカーに爆弾を手渡す。 −−
『なんだ、これ!
不良品だったのか?』
−− ミラがフィスカーとパークの背後に近寄る。 −−
『不良品だったのか?』
ミラ:
−− 振り返り叫ぶ。 −−
『うぎゃあああ!!!』
−− パークの声にフィスカーが振り返る。 −−
フィスカーとパーク:
−− 腰に手を当て、顔を真っ赤にする。 −−
『おい!覚悟はできているな?』
『す、すまん!
わざとじゃないんだ……。』
『わざとじゃないんだ……。』
『この期に及んで、まだ言うか!
バカは死ななきゃ直らないようだな!』
−− 頭を庇うように顔を覆う。 −−
『うえぇーん。た、助けて……。
イタタ……。』
−− 腕をおろす。 −−
『ひどいぞ、ミラ……。
これ以上すると黙ってはいないからな。』
『黙ってはないからな。ぐすん。』
『ほう、そうか?
ますます面白くなってきたな!』
『このおねえさんをいじめないで!』
『何だおまえ……?』
『邪魔をしたら、おまえもタダじゃおかないぞ!』
『は〜い!』
ミラ:
□
−−暗転−−
−− 目を袖で擦る。 −−
『ミラ……酷いじゃないか。
ここまですることないのに……。』
−− 同じく目を袖でこする −−
『ごめんなさい……。
二度としません……。うえ〜ん。』
『わたしが治してあげま〜す☆』
−− ティチエルが呪文を詠唱すると、フィスカーとパークの体がほのかに輝き、途端に体中の傷が癒える。 −−
フィスカーとパーク:
『な、なにをするんだ!』
『おまえ、魔法使いだったのか!』
『う……魔法使いに関わるとロクなことが……。』
−− 隙を見て、フィスカーとパークが逃げ出す。 −−
『おい、待て!
次は許さないから覚えておけ!』
−− 慌てて後を追うが、2人に怒鳴り後を追うのを止める。 −−
−− ティチエルの傍まで戻ってくる。 −−
『さて……お嬢ちゃん、大丈夫か?』
『え?は〜い。』
『世間知らずのお嬢ちゃんだな。ヤツらになめられてるんだよ。
だからこんな目にあうんだ!これからは気を付けろ。』
『は?なめられる?』
『じゃあ、あのぉ、助けてくれたんですか、今のは?』
『な、何だそれは。
どういう状況かすら、わかってなかったのか?』
『あいつらは……「ほおひげ団」といってな、バカでマヌケなヤツらだ。
見ているだけで腹が立つ!』
『ボーっとしたお嬢ちゃんをカモにしようとしたんだろ。
だまして金目のものを奪うつもりだったんだ。』
『うわぁ〜助けてくれたんですね。ほんとうにありがとうございますぅ〜。
お礼がしたいですぅ。』
『いいって。
別にたいしたことじゃない。』
『でもでもお礼したいのに……。』
『いらないって言ってんだろ。』
−− ミラの真横に移動する。 −−
『じゃあ、じゃあ、わたしといっしょに町見物でもしましょうよぉ。
わたしこの町に着いたばっかりで……、おねえさんと一緒なら安心だし、ホント面白くなりそう!』
『あたしは忙しい。他に用事があってな。』
『じゃあな。
また引っかかるなよ。』
−− そう言うと、リカス&ムートの船方面へと立ち去って行った。 −−
『頼りになりそうな、おねえさんだったのに……ひとりになっちゃったな……。』
□
−−暗転−−
−− [雑貨店] ロシュのよろず屋前で辺りをキョロキョロと見回し、不安そうにするティチエル。 −−
『う〜ん……ここはどこ?
いったいアクシピターはどこにあるのかしら……。』
−− よろず屋から出てくるロングソード。 −−
『また会いましたね。
美しいお嬢さん〜。』
『あ、こんにちは〜。』
−− ロングソードの傍まで歩いてくる。 −−
『で、なにをお探しで?
もしかしたら、もしかすると、このロングソードグッドナイトを探していらしたのでは……?』
『いいえ。
アクシピターに行きたいんですけど、道がわからなくって。』
−− ロングソードにすがるように泣きだす。 −−
『おじさん、知ってますか?』
『お……おじさん……。』
『ふ、私のようなベテランの旅行者には、そんな大きい建物の位置は探すまでもありません。』
『ホント?
教えて〜!!』
『もちろんお教えしましょう〜。
美しいレディを助けるのは、私のような美男子の義務、いえ、宿命ですから。ふふふ……。
さ、私についてきてください。』
『ありがとうございますぅ。』
−− 先導するロングソード。後を着いて行くティチエル。 −−
□
−−暗転−−
−− ナルビクワープポイント前に立つ2人。 −−
『うわぁ〜大きい〜。』
『ここがアクシピターです。
正式にはアクシピターナルビク支部ですね。』
−− ティチエルの方を向く −−
『ああ……別れるのはとっっっっっっっっっっっっても残念です。
が、私は用事があるのでこれで失礼しましょう。』
−− ロングソードの方を向く −−
『は〜い、ホント、ありがとうございましたぁ。親切なおじさん。』
『ウッ、ひ、ひどい!
私は親切なおじさんではなく、ロングソードグッドナイトです!
この美しい私のどこが、おじさんに見えるんですか……。』
『あっ、ごめんなさい親切なおじさん、では〜さようなら〜。』
『は、はい。(ガクッ)
ではこれで。』
−− ティチエルが、アクシピターへと入って行く姿を見送るロングソード。 −−
『ふ〜む。果たしてうまくいきますかね?ティチエル・ジュスピアン……。』
□
−−暗転−−
■ここまでがティチエルのプロローグになります。
怪しさ満載のロングソードと喧嘩っ早いミラお姉さんが見所でしょうか?
シーン変更が多かった為かSSの数が豊富に(汗)■
★ ミラサイドと比べてみる or 続きを見る ★
→ミラサイドへ 別ページ開く
→次の話、C1 ゼリーキング討伐 へ続く
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